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 Women's Japan Lacrosse National Squad

世界大会・現地レポート
レポート Vol.16
2005年7月2日(土)
 
日本ゴール  日本のボールキープ時間が長くなった。間に2本のショットを挟みながら、チェイスにしっかりと勝ってマイボールをキープし、3分間ほどゴール前で攻め続ける。だが、ゴール前での攻め手が無くなり、ハーフライン辺りまで上がってきているG#1 西村麻希(マキ)までボールを戻す。ボールを追いかけて引きずり出されるウェールズディフェンス陣。西村は持ち前のフィールド能力でディフェンスをかわし、右サイドにいるフリーの#5 川辺美穂子(アキラ)へパス。川辺は楽な体勢で前線でフリーになっている#13 塙妙子(タエコ)へ。ゴールに向かって仕掛ける塙に二人のウェールズディフェンスが反応するが、その裏を取ってゴール前に切れ込んだ#14 上井華奈(ウー)へのパスはカバー出来なかった。パスを受けた上井がゴール左脇へ走り抜けながらゴール右下にシュートを決め、12-8。試合終了の5分35秒前のことである。
シェル  「シェル!!」「シェルだ!!」ベンチとゴール前から指示が出る。日本は試合最後の5分間、これまで勝ち試合で試す以外にはほとんど使うことなく温存してきたゴール前ゾーンディフェンス「シェル」で守り切る作戦に出た。「シェル」はゴール前の最もシュートが決まりやすいエリアにボールを入れないようにし、そのエリア外からシュートを“撃たせ”、ゴーリーが“穫る”ことによって攻撃に繋げるゾーンディフェンスである。ウェールズはポイントゲッターの「ウェールズの魂」#8 Genna Morganと#9 Laura Warrenに執拗にボールを集めるが、上からのフィードはミッドフィルダー陣がボールにプレッシャーを与えてバッドパスにし、裏からのフィードもゴール前のコミュニケーションの連携によってボールの受け手を確実に潰していた。その間2本のフリーショットをウェールズに与えてしまうが、#1 西村麻希(マキ)がセーブする。
日本勝利  「Yellow Flag is out.」のアナウンスが場内に響き、試合ラスト2分。日本はディフェンスラインを押し上げて中盤でボールを回しながら時間をかせぐ。ウェールズはボールに一人二人と当たりに行き、必死に追いかける。ディフェンスが手薄になったゴール前で#15 山田幸代(サチ)がフリーになりシュートを撃つ。だが、ワールドカップ出場4回目となるウェールズのゴーリー#7 Karen Owenはそのシュートを止める。「Red Flag is out.」試合終了まで30秒を切った。ウェールズは最後の攻めか。寸でのところで日本のディフェンスをかいくぐりながらクリアーを運ぶ。もう日本の勝利は決定的だが、最後まで攻める執着心を見せる。「10!、9!、8!・・・」日本サポーターが、POOL A昇格へ歓喜のカウントダウンを始める中、ボールは日本ゴール左上で「ウェールズの魂」#8 Genna Morganに渡る。Morganは迷わずゴールへ向かい、#4 大河原寿代(ヒサヨ)に流されながらも終了5秒前、グラウンドに倒れ込みながら執念のラストシュート。そのボールは#1 西村麻希(マキ)がしっかりと受け止めた。Morganはグラウンドにうつ伏せに倒れたまま立ち上がることが出来ず、顔だけ上げて西村を見ていた。西村はゴールサークル内でボールをキープ。「3!、2!、1!!」勝利のホーンが響き、日本の5位が決まった。Wales選手達がグラウンドに崩れ落ちる。日本選手達が天を仰ぎ、互いに抱き合う。日本ラクロス史上初のPOOL A昇格!!歴史を変えた瞬間だった。
日本ベンチ  ベンチでは、この1年間、自分達の方針と戦術を信じ、話し合いを繰り返しながら選手達を引っ張り、大会中も日本の勝利と選手の最高のパフォーマンスを導き出すために団結して力を尽くしてきたコーチスタッフ陣が固く抱き合い、POOL A昇格を喜び合った。
胴上げ
胴上げ
 挨拶を終えた選手達がグラウンドの中央へ高田静江(シズエ)HCを引っ張って行き、胴上げ。続いて川辺美穂子(アキラ)Capが宙を舞った。
選手たち
選手たち
 客席に向かい、日本サポーターに応える選手達。
日本サポーター  最後の最後まで絶えることなく日本を応援し、共に戦って下さったサポーターの方々。惜しみない拍手、笑顔、涙でチームを迎えてくれた。


Photo & Report by 日本ラクロス協会広報部・橋本薫

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