高田静江(シズエ)HCは、「もっとみんな近寄って話そう」とわざわざ椅子と机を真ん中に寄せ、約10分間に渡ってこれから戦う上での気持ちの持って行き方、気持ちのプレーでの出し方について語った。「“4位以上”を取りたいなら、みんなもう一枚皮を破らなきゃ。コーチはもう、みんなに言ったことを「信用して」って言うしかない。でも、君たちを私達が信じるとしたら、それは君達の言葉じゃない。「メダル欲しい」「4位欲しい」そういう言葉じゃなくて、それをグラウンドで見せてほしい。プレーする姿だけでいい。言葉なんていらない。口だけじゃなくて結果。闘争心。感情を、もっと勝ちたいという気持ちを、もっとグラウンドで出すこと。4位以上になりたいという気持ちを、グラウンドで出すこと。それが君たちに必要な最後のコミュニケーションじゃないかな。」
「最大の敵は自分。ラクロスのことじゃないことでも、小さなことにイライラしたり、些細なことが気になったり・・・そういう自分に勝つこと。気になることがあったら、その対象を責めるんじゃなくて、そういうことが起こらないようにカバーし合えば良い。そういう意味での団結力を持つこと。みんなすごくいい子だから。それはもう分かってるから、もう一枚皮を破っていいから。今のところ、国内でスクリメッジをしてきた時と同じような点差での圧勝になっているけど、1点が重い試合、これを落としたら4位にはなれないっていう紙一重の試合が必ず来る。本当の意味でのワールドカップが、急に来るから。すっごく苦しいと思う。でも、絶対楽しいはずなの。この1年間、それを待ってたんだよね?すっごい苦しいけど、絶対楽しいはずなの。これを待ってたの。勝たなきゃいけないの。頑張ろう。」最後の方は語尾を強めながら、いつものように一人一人の目を見つめ、選手達の心に語りかけた。
ミーティング部屋から宿泊している寮への帰り、川辺美穂子(アキラ)Capが、「静江さんて・・・本当にすごいよね、尊敬する。どうしてこんなに選手達の今の心の状態がわかるんだろう。」と言った。隣を歩く小林絹枝(キム)も、「チームに合流したのは昨日なのに、まるで最初から一緒にいたみたいに私達のことわかっていますよね。」と同意した。何故こんなにも高田HCは選手達の気持ちがわかるのか?明日から始まる高田HCの大会コラムで、その答えを探ってほしい。 |