Go To TOP PAGEWomen's Japan Lacrosse National Squad

 Women's Japan Lacrosse National Squad

活動レポート
 
2004年12月25日(土)・26日(日)  第8回練習会
於:東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場
 
12月25日(土) 練習 & 女子有志チーム・WISTERIAとのスクリメッジ

  通りが賑わいクリスマスソングの流れる12月25日・・・。
  女子日本代表は、今日も朝から大井に集まり練習だ。しかも、コーチ陣がクリスマスにチームに課したのは、二日間で3チームとのスクリメッジ。そのうちの2つが本日セッティングされている。このBIGなクリスマスプレゼントを喜ぶことが出来るかどうかは、もちろん自分達次第だ。

 グラウンドイン前のミーティング時、馬淵博行(マブ)TRから選手ひとりひとりに「ハートレイトモニター」という腕時計型の心拍数測定器が渡された。この二日間ハートレイトモニターを装着して練習し、出た数字を元に年末年始合宿のトレーニングメニューを組む計画だ。選手達は興味深そうに説明を聞きながら装着していた。

 
(1) ウォーミングアップ―9対9

 国際ルールに準じて30分ハーフでのスクリメッジを2本行うため、チームとして準備出来る時間は短い。フリーアップ、カナディアンで体を暖めると、すぐにスパイダーの確認練習に。まだ体と頭が目覚めていないのだろうか、ディフェンスに指示の声が少なく、ボールキャリア(BC)から遠い人ほどディフェンスをあやつらなければならないのにオフサイドからの声が聞こえない。高田静江(シズエ)HCが「声出せ!!」と何度も叫ぶ声が一番大きく会場に響く。

高田HC

 

 

チームに喝を入れる高田静江(シズエ)HC

 引き続き行われたゴール前での9対9でも、石渡素子(モトコ)ACが「ディフェンスが後手後手になっている」と指摘し、起こりうるありとあらゆる状況を予測する声を積極的に出すことと、「デンジャラスゾーン外でシュートを撃たす」ことを徹底させていた。
 
(2)) 女子有志チームとのスクリメッジ

 これまで日本代表候補として練習会に参加実績のある選手を中心に、このスクリメジのために集められたのが”女子有志チーム”だ。お互いに意識せずにはいられない相手であろう。代表コーチ陣が見守るこのスクリメッジ、当然パフォーマンスが良ければ日本代表にカムバックするチャンスが再来する可能性もあるのだ。

女子有志チーム

 

女子有志チームの面々。
ほんの数カ月前までは代表候補として練習会に参加していた選手ばかり。
佐藤壮(タケシ)AC、早川亜希(アキ)STR、頃安悠子(コロ)SMGは女子有志チーム側の取りまとめとサポートに。

 ゲームは前半7-1と女子日本代表がリードしていたが、後半10分過ぎから集中力が切れ始め、3点を許し結果は10-4であった。後半だけで見ると同点である。相手の流れになったあたりから、スパイダー(ゾーン)というよりも一人一人が目の前の相手を潰すことにばかり必死になってしまい、「チームで勝った」感の薄いゲームだった。

 WISTERIAとのスクリメッジまでの休憩時間を利用して、軽くミーティングが行われた。石渡素子(モトコ)ACは、再びディフェンスの選手を集め、「“実況中継”じゃディフェンスは遅い!予測して声!自分達が攻めている時から如何に守りの声を出せるかなんだ。」と端的に指摘。高田静江(シズエ)HCは、後半追い込まれた部分に触れ、「40分過ぎからパスがつながらなくなって相手ペースになったのは、自分達が招いたこと。完全に集中力の問題。世界大会の30分ハーフってすごく長いんだよ。駆け引きを楽しめるくらいにならないとダメ。今はそんな余裕ないかもしれないけれど、だったら個々の集中力の欠如はチームで補うべきじゃないの。」と厳しい口調で話した。

 
(3) WISTERIA(2004年全日本選手権優勝チーム)とのスクリメッジ

 優勝を飾った全日本選手権決勝からまだ日は浅く、WISTERIAの選手達のコンディションも万全だろう。日本代表と日本を代表するクラブチームとの対決を聞きつけ、クリスマスにも関わらず、スクリメッジには30名余りの観客が訪れた。

スクリメッジ

 

飯塚佳代(カヨ)、小林絹枝(キム)、さらにWISTERIAでもキャプテンを務める川辺美穂子(アキラ)、の3名は自分達の所属するWISTERIA側に入って戦った。日本代表を3名輩出しているチームだけに、代表対策はぬかりないとのこと。

(左から、WISTERIA 9番がアキラ、センターがキム、14番がカヨ)

 ゲームは女子日本代表が前半から飛ばし、10-3で前半を終えるが、ここまでは女子有志チームとのスクリメッジでも出来たこと。問題は後半に集中力が持続出来るかだ。ハーフタイム、高田静江(シズエ)HCも「ここからが集中のしどころ。気持ちで負けるな。」と気合いを入れるが、やはり後半はシーソーゲームに・・・。試合終了15分前、後半のみのスコアで3-3になったところでタイムアウトを取り、判断力の高い選手にボールを集めるよう指示を出すが、終了5分前にさらに1点穫られ、13-7で終了。
  2ゲームとも、前半はスパイダーが成功して失点を抑えられたが、後半は集中力欠如から崩れていった。

マネージャー

 

 

試合を見守る村尾英里(エリ)MG(右)と頃安悠子(コロ)SMG(左)
タイムを測ったり、スコア取りの補佐をしたりと戦況から目が離せない。後ろはWISTERIAベンチ。

 

 スクリメッジを2本終えてのコーチ陣の評価は以下のようなものだった。

 高田静江(シズエ)HC、「良くやったが、“同じところに2度勝つ”という意味でも後半もう少し頑張って欲しかった。」

 石川貴一(タカイチ)AC、「自分達のラクロスを出すところまでまだ行けていない。」

 石渡素子(モトコ)AC、「後半判断力が低下した。特にパスの判断力が課題。」

 馬淵博行(マブ)TR、「後半やられた。フィジカルを上げなくてはいけない。」

 総合的に見ると、やはり大きな課題は「広い意味での体力」か。女子日本代表が強化方針に挙げている、
「3S - Speed Stamina Spirit- 」の「Stamina」(それに付随して「Spirit」の部分も)の不足が浮き彫りになった1日目だった。

 

Photo & Report by 女子日本代表サポートマネージャー・橋本薫

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