日時：2006年12月10日（日）　11:00試合開始
場所：東京・江戸川区臨海球技場

女子準決勝戦：立教大学（関東学生リーグ1位） vs Sibylla（クラブチームリーグ2位）

ゲームレポート（続き）

2-3で前半を折り返し、後半先にネットを揺らしたのは立教#3工藤による1対1からのシュートだった。 　お互いボールへの執着心が強いばかりに、その後約10分、両チームともファールが目立った激しい争いとなった。Sibyllaのプッシングから始まり、立教のフリースペーストゥゴールの侵害、プッシング、Sibyllaのオフサイド、ディテーニング・・・。フリーシュートが続く中、両ゴーリーはゴールを死守し続けた。それをうち破ったのは立教。Sibyllaのデンジャラスチェックにより与えられたフリーシュートを#5三浦が決め、Sibyllaとの点差を2-5と広げた。 　8本目のドロー。獲ったのは立教だったが、ラインアウトによりSibyllaボール。そのままゴールへ運び#1小島がシュートを撃つが、立教ゴーリー#0中嶋がセーブ。はじいたボールを再びSibyllaが持ちゴール裏でチャンスをうかがう。フィードは失敗するが、後ろにいた#8塙がフォローし、ファールを誘ってフリーシュートを得る。それをしっかり決めたところで、すかさず立教がタイムアウトをとった。 　試合時間残りわずか10分、ドローをSibyllaセンター#29渡邊が自ら獲って、ゴールへ運び、シュートを撃つと見せかけて、走ってきた#14亀岡へパス。シュートを撃つが、セーブされてしまう。その後ラインアウトしたボールをSibylla#14が運び、撃つがはじかれ、それをフォローした#4清野が軽やかにネットを揺らし、4-5と点差を1点と縮めた。 　再びドローをSibylla#29渡邊が獲り、DFの間を華麗にすり抜けシュート。残り5分で同点ゴールを決めた。 　Sibyllaに流れがきたかと思われたが、全日本選手権準決勝、そんな簡単にはいかない・・・。お互い譲れない1本、立教にピンチが訪れる。立教のファールにより、Sibyllaボール。シュートを撃たれたが、今日何度もチームを救ったゴーリー#0中嶋がまたもやセーブ。ここで立教ベンチは一気に沸きあがり、ファールを誘った立教#5三浦が意地でシュートを決めた。 　試合時間残り2分でSibyllaがタイムアウト。 　このまま試合が終わるのか・・・と頭をよぎったその時、Sibyllaの執念、#14亀岡から#1小島のつなぎからのシュートで点が入り、6-6と再び同点へ持ち込んだ。試合残り1分30秒のことだった。 　14本目のドロー、獲ったのは立教。ゴール裏まで運び、#5三浦からフィードで#33関が、残り40秒でシュート。決勝戦への切符へ大手をかけた。 　試合も残りわずか、レッドフラッグがオフィシャル席に掲げられ、立教1点リードではあるが、まだまだ結果はわからない。残り30秒の間に、ファール、スロー、グラウンドボール、ダウンボール、フォロー・・・と様々なことが起き、白熱した争いの最中、試合終了の笛が会場中に鳴り響いた。 　立教大学が、12月17日東京・江戸川区陸上競技場での決勝戦の切符を手にした。 　足場がとても悪い中、両チームの選手、全員が素晴らしいプレーをしていた。その中でも特に、立教ゴーリー#0中嶋は本日一番の活躍であったと思う。Sibyllaから浴びたボールの数は、立教が放ったシュートよりも遥かに多い。だが、そんなチームのピンチを救い、逆にチャンスへと変えてしまった#0中嶋のプレーを見た時には、感嘆のため息を漏らさずにはいられなかった。そして、他の選手も#0中嶋の頑張りを無駄にすることなく、訪れたチャンスをしっかりとものにし、チームの団結力を強く感じた。 　また惜しくも負けてしまったSibyllaの精神力の強さにも驚いた。一時は3点差まで広がり、ファールやミスが続いてしまったこともあったが、大事なところで決める力、気持ちの切り替えの早さはどこにも負けないのではないだろうか。 　そして今日、両チームから強く感じたものは“執着心”である。ボールへの執着心、シュートへの執着心、勝つことへの執着心・・・、この気持ちが今日の試合をここまで盛り上げてくれたのだと私は思う。選手も観客も一つになった最高の試合だった。

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