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第21回ラクロス全日本選手権・女子決勝

  • ■ 大会名:第21回ラクロス全日本選手権・女子決勝
  • ■ 日程:2010年12月19日(日) 11:00試合開始
  • ■ 場所:東京・江戸川区陸上競技場
  • スコア
                                                                                              

    チーム 前半 後半 延長 TOTAL
    MISTRAL 5 2 0 7
    Sibylla 3 4 1 8

    得点者

    MISTRAL Sibylla
    #11 和田亜紀子 (2)
    #4 高安桂子 (3)
    #12 水野華奈 (2)
    #14 亀岡真美 (2)
    #17 長岡良江 (2) #51 目黒奈緒美 (2)
    #5 橋本有香 (1) #7 高橋えり (1)

    審判

    主審 喜嶋志穂子
    副審 野田淑子
    平野倫子
    高実子実奈子
  • Sibylla(クラブ選手権2位)

  • MISTRAL(クラブ選手権1位)

【スコア】

【個人賞】

  • 最優秀選手賞 高安桂子(Sibylla)

  • 和田亜紀子(MISTRAL

【審判】

【レビュー】

12月19日の日曜日、冷たい海風の吹く東京・江戸川区陸上競技場を時折温かな陽射しが包んだ。この日、全国のラクロスプレイヤーがもっとも注目する第21回全日本ラクロス選手権決勝戦が行われた。日本一をかけてぶつかるのは、日体と接戦の上決勝戦進出となったSibyllaと関西代表同志社大学を敗ったであった。

 晴れ渡った青空のなか11:00にドローが上がった。最初のドローを奪ったのはSibyllaであった。 試合開始早々から社会人チームならではのスピードのあるラクロスを両チーム見せつける。開始30秒、Sibyllaが落としたボールをすかさずMISTRALが拾い、ボールを運ぶ。ゴール裏から切れ込んだMISTRAL#70松井理紗がゴール左側にいた選手からパスをもらいシュート。MISTRALが開始30秒で先制点を決めた。なんとも熱い戦いの始まりであった。
 先制点をとったMISTRALがまたしてもボールを持ちシュートまで達するがMISTRALのインザクリースでSibyllaボールとなる。そこからSibyllaが足で着実に運ぶ。MISTRALのゴール前でのブロッキングがファールとなり、Sibylla#51目黒奈緒美にフリーシュートが与えられる。これが得点となり1-1。両チーム互角のスピードと得点力であった。互いに2得点めのチャンスを伺う両チーム。しかし、1それが裏目に出て互いにファールが続きイエローカードが出るほどであった。ゴール前をべったりとした一対一の体制で守り貫くMISTRALに一対一を仕掛けたSibylla #14亀岡真美が、ゴールに背中を向けたままシュートを放つ。これはゴールとはならなかったが社会人ならではのプレーに観客も大いにわいた。このシュートに続く様にゴール前にいたSibylla #4高安桂子がパスから確実に四隅を突くシュートを決めた。その次のドローを得点をしたSibyllaがとった。しかしMISTRALにエンジンがかかる。ダウンしたボールをゴーリーから次々とパスを回して足を止める事なくボールを運び、ボールの前を走っていたMISTRAL #12水野華奈にパスからの流れのままシュートが決まった。ここからMISTRALがボールを保持してシュートを撃ち込んでくる。だが得点とはならない。しかしラスト17分で狭いなかでのパス回しからMISTRAL #17長岡良江の力強いシュートが決まる。3-2でMISTRALがリード。ここでタイムアウト。タイムアウト後、ドローから一対一で攻めるSibyllaであったが、またしてもファールがとられて思い通りのプレーが出来ない。
そんな中ラスト5分でMISTRAL#11和田亜紀子が3人をかわしてゴールする。Sibyllaも負けじとボールを持ちシュートを放つがゴーリーにセーブされる。ラスト2分、センターを走るMISTRAL #11和田亜紀子が一対一を仕掛けてディフェンスを引き付けたスペースに #12水野華奈が得点した。3点差を巻き返したいSibyllaがドローをとる。ラスト1分の前半終了間近にSibylla #4 高安桂子がゴール横の角度のない所からシュートする。ゴールが決まった。その後両チーム得点には繋がらずに5-3でMISTRALがリードしたまま前半終了となる。双方の負けず劣らずの激戦のままホイッスルがなった。

後半が始まり、両チームゴール前まで運びショットを打つが点には結び付かない。しかし集中はきれることなく、グラウンドボールには9人ずつよるといった負けられない気持ちがひしひしと伝わってきた。Sibylla #14から#51目黒へのパスが通り、Sibyllaが1点差にせまる。しかしその後はMISTRALのポゼッションが長くなる。#11がゴール裏をまわってパスを出し、#17長岡がゴール前に飛び込んで目の覚めるようなシュートが決まる。離されまいとSibylla #7高橋がDFの間をぬってシュートを決めた。その直後のドローをMISTRALがってゴール前まで独走状態になり、ゴール確実と思われたが、Sibyllaはバーに救われる。MISTRALの攻めは続き、#5橋本が裏からじりじりと一対一で点をとった。ここでSibyllaタイムアウト。なかなか波を作れず、MISTRALに細かく繋がれ、攻め立てられる。しかしMISTRALのシュートが入らず、弾いたボールをSibylla #14亀岡がセンターから一対一で豪快に決める。MISTRALがタイムアウトをとる。時間も残り10分をきり、点差は1点差。逃げきりたいMISTRALと追い付きたいSibyllaの両チームにファールが出始める。観客も一体となりパスミスには声があがる。Sibyllaに波がくる。裏からの一対一は入らなかったが尚も攻撃は続く。フリーシュートを得て会場が沸くが外してしまう。残り二分をきった時、#8の裏からのパスを、#4高安がゴール右の角度のないところからシュートを撃つ。会場が割れんばかりの歓声でいっぱいになった。遂に7-7同点となり、勝敗はサドンビクトリーへと持ち越された。

 サドンビクトリーを待っていたかのように空が晴れて、ドローがあがった。ボールをとったのはMISTRAL。Sibylla DFにも力が入るがフリーシュートを与えてしまう。しかしSibyllaの堅い守りはショットを打たせず、Sibyllaが攻める展開へとなる。ゴール前に出したパスはMISTRAL DFに阻まれる。Sibyllaボールは続き、#14トを確実に決めてSibyllaの勝利となった。

 今年の全日本選手権大会は、接戦を制したSibyllaの二連覇で幕を閉じた。白熱した試合で観客を楽しませてくれた両チームの健闘を讃えたい。

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