スコアレポート
第24回ラクロス全日本選手権大会・女子準決勝
- ■ 大会名:第24回ラクロス全日本選手権大会・女子準決勝
- ■ 日程:2013年12月8日(日) 14:00試合開始
- ■ 場所:東京・大井ふ頭中央海浜公園第二球技場
スコア
チーム前半 後半 延長 TOTAL慶應義塾大学330 6NLC SCHERZO151 7得点者
慶應義塾大学 NLC SCHERZO #38 細田 咲彩 (2)#5 木村 有希 (2) #3 小川 絵里子 (1)#34 藤原 万里子 (2) #33 廣野 マキ (1)#10 井倉 涼子 (1) #88 川村 真央 (1) #21 高橋 理美 (1) #99 出原 由佳子 (1) #57 志渡 友梨 (1)
審判員
主審 江島 絵美 副審 五東 幸子 野田 淑子 中本 真由美
【スコア】
【審判】
【レビュー】
2013年12月8日(日)、12月に入り、肌を刺すような寒空の下、大井ふ頭中央海浜公園第二球技場にて、第24回ラクロス全日本選手権大会の準決勝戦を行った。女子の対戦カードは、全日本ラクロス大学選手権大会で優勝した慶應義塾大学(以下、慶應)対ラクロス全日本クラブ選手権大会2位のNLC SCHERZO(以下、NLC)であった。寒さを忘れさせるような両者の白熱した試合が行われた。
14時、 審判のホイッスルと共に試合開始。最初のドローを慶應が制し、ゴール右上でパスを受けた#33廣野は1対1でゴールへと向かうが、NLCのプッシングでフリーシュートを得る。このシュートはセーブされるものの、セーブからのリバウンドを#3小川がすかさず獲り、そのままシュートし、開始1分30秒で慶應が先制点をあげる。
慶應に先制点を許したNLCは負けずと積極的に攻めるも、なかなか得点に結びつけることができない。慶應はNLCに簡単に得点を許さず、続けて慶應#88川村がシュートを決め、2-0とする。
なんとか得点をあげたいNLCは、慶應にボールを奪われシュートを狙われるも奪い返し、落ち着いたパスを回しながら得点のチャンスを伺う。そして16分、NLC#57志渡がディフェンスの隙をつき、ゴール右上からの1対1からのシュートで、2-1とし、NLCの本日初得点をもたらす。
その波に乗って攻撃を続けたいNLCは、ドローを獲った#12浅井がブレークからスピードのある華麗なシュートを見せるが、慶應#15渡邉がその勢いを阻むナイスセーブを見せ、会場を沸かせる。そして#15渡邉からすばやく出されたクリアを慶應#3小川が素早いフットワークで運び、ゴール右下にいる#99出原に的確なパスを出す。それを受けた#99出原はNLCのディフェンスが追いつかないまま、勢い余って倒れこみながらも鮮やかなシュートを決める。3-1とし、速攻プレーでNLCを突き放す。
その後は両者とも一歩も譲らない状態が続き、慶應が19分にタイムアウトを取り、仕切り直しを計ったが、状況は変わらず、NLC#12浅井がブレークになるところで前半は終了した。
3-1で迎えた後半。一気に反撃にかかりたいNLCは、ドローを獲り、後半開始2分で#21高橋が2得点目を決め、3-2とする。しかし奪われたら奪い返すと慶應。その後、NLCのファールで得たフリーシュートしっかりと決め4-2とし、点差を引き離しにかかる。だがNLCも負けてはいない。慶應のパスをインターセプトしたNLCはそのままゴール前へと持ち込み、NLC#10井倉のシュートで4-3と慶應を追いつめる。しかしその1分後、慶應#38細田が完全にフリーなブレークにより、5-3とする。その後も獲ったら獲り返しの攻防が続き、6-4になった時点でNLCがチームタイムアウト。
点差を縮めたいNLCは、タイムアウト後、ファールにより慶應にボールを与えてしまい、ゴール前で慶應のフリーシュートを許すが、ゴーリーのセーブに助けられ、その後クリアから攻撃が始まる。慶應の前へ行かせない粘りのディフェンスに囲まれながらも、広い視野を使ったパスでなんとかボールを前へとつなぐ。セットに持ち込み、慶應のディフェンスを突破したいNLCは、パスをつなぎ様子を伺っていたが、ここで慶應がファールを犯してしまい、NLCにフリーシュートのチャンスを与えてしまう。このチャンスを#34藤原がしっかりと物にし、6-5とする。ついに1点差。
6-5で残り8分を切り、追い込まれたNLCはなんとか同点に持ち込もうと必死にボールに食らいつきにかかる。それに対し慶應は攻めの姿勢を貫こうとボールを奪うものの、なかなか得点にはつながらない 。
ラスト2分を切ったところで慶應はチームタイムアウトをとる。会場全体はより一層緊張感が高まる。果たして慶應が逃げ切り勝利を掴むのか、後半に入り反撃にでたNLCが、慶應に追いつき逆転勝利となるのか。
大勢の観客たちが見守る中、タイムアウト後は慶應ボールで始まり、以前として攻めの姿勢を崩さない慶應は、追加点を狙いシュートまで行くが、惜しくもセーブされる。
セーブのリバウンドをとった慶應が、このまま1点リードで勝利をもたらすかに思われたそのとき、NLCが慶應の隙を見て、チェックし、ボールを奪い、ラストチャンスを狙おうとゴール前へとつなげた。慌てて止めに行く慶應だったがNLC#34藤原は貰い受けたパスを必死に得点に結びつけようと、ディフェンスに押されながらも、渾身のシュート。
ボールは見事、ゴールへと入り、残り40秒でNLC#34藤原が6-6の同点とした。まだまだ分からない試合展開に会場は一気にわき上がった。
追いつかれた慶應はノータイムのなかあきらめず、ドローを制し、ゴール前からのシュートまで行くが、NLC#4富田が見事なセーブを見せ、ここで試合終了のホイッスル。
6-6の同点により、サドンビクトリータイムとなる。
サドンビクトリーとは、同点の際、6分間ハーフでの、先制までの延長戦のことである。点が入った時点で試合終了となり、点を決めたチームが勝者となる。
3分間の休憩後、大歓声の中、サドンビクトリーのドローが上がる。
ドローを獲ったのはNLC。そのままゴール前と運ぶが、ボールを落としてしまい、慶應ボール。だがNLCのディフェンスは固く、なかなか前に進めない。慶應は必死の余り、ロングパスでつなごうとするが、それが仇となり、ラインアウトしてしまう。NLCボールでリスタートし、果敢にシュートするが、慶應も負けずとゴーリーのナイスセーブ。しかし、慶應は焦りからかファールをしてしまい、NLCに得点のチャンスを与えてしまう。そしてサドンビクトリー開始から2分16秒、NLCのフリーシュートにより、NLC#10井倉からパスを受けた#5木村が、右裏から走り込み、ゴールに叩き込む見事なシュートを決め、NLCに悲願の勝利をもたらした。
大熱戦で繰り広げられたこの試合に、観客席からは両チームを称える大きな温かい拍手が送られた。