スコアレポート

【スコアレポート】第21回ラクロス全日本クラブ選手権大会・女子決勝戦|NeO vs. FUSION

  • ■ 大会名:第21回ラクロス全日本クラブ選手権大会・決勝戦
  • ■ 日程: 2019年12月8日(日)
  • ■ 場所:東京都(世田谷区 )・ 駒沢オリンピック公園第一球技場
  •  

    秋晴れの中、NeOとFUSIONによる決勝戦が行われた。

    両チームとも、準決勝は延長戦までもつれ込み接戦を制した実力のあるチームである。試合会場は両チームのプレーを心待ちにした観客で超満席である。入場は、サンタ帽を被ったかわいらしい子供たちによる選手エスコートにより、観客席は盛り上がる。会場の期待が膨れるなか、決勝戦がスタートした。試合はロースコア展開。開始早々FUSIONが2連続得点により流れを掴むが、NeOのオールコートを走り回る激しい守備と攻撃により、前半を同点で折り返す。両チームともに強みを生かした攻防を繰り広げ、どちらが勝つのか予測ができない展開である。

    後半に入り、流れが大きく変わる。3Q・4Q連続でFUSIONに対し、イエローカードが出される。そのチャンスをNeOは見逃さない。1人選手が多い展開で着実に点を重ね、流れを完全に掴み取る。その後もFUSIONは食らいつき、スピード感溢れる攻撃とゴーリーのスーパーセーブにより、リズムを掴みかかるが、王者NeOを前に一歩及ばない。NeOの得点力・守備力・ボール処理力全てが光り、最後まで点差を守り抜いた。

    最終スコアは5-3でNeOが決勝戦を制し、4年連続4回目のクラブの頂点を勝ち取った。本日の試合でまた一つクラブ決勝に歴史が刻まれた。

     

    Text by 森 若菜(MISTRAL)

  • Neo

  • FUSION

【スコア】

チームや大学名 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
NeO 1 1 1 2 5
FUSION 2 0 0 1 3

【得点者】

NeO
#6 多賀 麻文 2
#5 森岡 友菜 1
#10 関口 紗生 1
#11 小川 絵里子 1
FUSION
#3 佐藤 智美 1
#17 水戸 理恵 1
#24 寺西 志保美 1
- -

【審判】

主審:大久保祐子.、副審:喜嶋志穂子、大塚紀代子、TO:木村真美

【レビュー】

1Q:最初のドローはNeO・山田(#24)、FUSION(以下、FUS)・水戸(#17)の対決。ファーストドローを制したのはFUS・水戸。速い攻撃展開により、開始20秒、FUS・寺西(#24)の豪快な1対1で先制する。

2回目のドローもFUS・水戸(#17)がゲットするも、NeO・柴原(#21)のナイスディフェンスによりNeOボールへ。NeO・高野(#12)の豪快なサイドスローシュートやNeO・多賀(#6)の中への合わせによりFUSのディフェンスに脅威を与える。FUS・水戸(#17)ミスボールを見逃さず、速い展開でボールを前へつなぐ。

FUS・寺西(#24)がセットプレーでチャンスメイクすることで、攻撃の流れができ、NeOのファールを誘う。FUS・佐藤(#3)の技ありフリーシュートが決まり、連続2得点をとり勢いに乗る。ドロー取得とリズムにのった攻撃により0-2でFUSがリードする。

その後、両チームの攻防が続く中、流れを断ち切ったのは、NeO・関口(#10)の見事なパスだ。中を固く守るFUSだったが、低い位置からの関口の1対1でDFを引き寄せ、逆サイドで待ち受けていたNeO・多賀(#6)にボールが展開される。多賀はダイレクトシュートを絶妙なコースに決め切り、NeOの1点目が決まる。

その後、両チームともリズミカルな攻撃を繰り広げるが、両ゴーリーの好セーブにより、固く守られ1Qが終了する。1-2でNeOがFUSを追いかける展開になる。

 

2Q:最初のドローはNeO・山田(#24)がゲットし、セットプレーに持ちこむ。山田、そのまま流れにのって豪快なサイドスローシュートを打つも、FUS・ゴーリー岩田(#21)が好セーブを見せる。FUSは守りを攻撃に繋げたいところだが、NeOの運動量の多いDFに阻まれ、再びNeOボール。セットオフェンスではNeO・水野(#27)の1対1により、攻撃のリズムをつくり、幾度もシュートを打ちこむ。その後、セットプレーのチャンスを掴んだFUS。佐藤(#28)から高橋(#10)へDFの間を縫った絶妙なパスを狙うが、DFのクロスが伸びパスを通させない。

FUS攻撃でリズムを作りたいところだが、NeO・高野(#12)はFUSパスの隙を見逃さず、見事なインターセプトを魅せる。高野は勢いに乗ったままゴール前まで突破し、シュート打つが、本日絶好調のFUS・ゴーリー岩田(#21)のスーパーセーブに食い止められる。

2Q、両チームとも果敢に攻撃するが、FUSはNeOのディフェンスプレッシャーによりミスが目立ち始め、NeOは強烈なシュートを幾度も打つが、FUS・ゴーリー岩田(#21)のセーブに苦しめられる。

残り時間3分、NeOはセットプレーに時間をかける。1対1からのズレを上手く使い、シュートシーン生みだし、ボールを失っても奪い返す。ここでチャンスを掴んだのは、NeO・小川(#11)によるフリーシュート。ゴール左上の際を狙い、ハイスピードのシュートがネットを揺らす。予測していたFUS・ゴーリー岩田(#21)も止めきれず、2Qラスト30秒で遂に同点に追いつく。

前半終了のホイッスルが鳴り、2-2で折り返す。徐々にNeOがドロー・ポゼッション共に優位に立ち、流れができ始める。

 

3Q:後半開始。ドローは前半と変わらず、NeO・山田(#24)とFUS・水戸(#17)水戸の対決。高く上がったボールにクロスを片手で目いっぱい伸ばし、NeO・山田がボールをゲットする。NeOセットアタックになるもミスによりターンオーバーでFUSボール。

前半からゲームメイクと1得点している好調のFUS・寺西(#24)がボールを保持し、攻撃を仕掛けたいところ。中のスペースを広げ展開を生むが、DFを2枚引き寄せ、チャンスメイクをした山田(#5)からゴール前佐藤(#28)へのパスはミスに終わりシュートチャンスを得られない。

続いてNeOのセットプレー。久米(#77)を中心に攻撃を組み立てる。1対1と早いパス展開でFUSのディフェンス形態を動かす。ここで、NeOに再び流れが舞い込んでくる。NeO・山田(#24)に対する激しいディフェンスにより、イエローカードが出される。2分間の退場により、FUS選手は一人少ない中でのディフェンスになる。NeOはこのチャンスを活かし、速いパス展開で、FUSのゾーンディフェンスを崩す。ゴール裏からカットインした森岡(#5)にボールが入り、角度のない難しいシュートを決め切る。3-2となりNeOが逆転。流れは完全にNeO側に。

その後、ドローをゲットしたFUSはセットプレーに持ち込む。高橋(#10)がゴール前で粘り、強烈なシュートを見せNeOゴールを脅かす。

ラスト3分両チーム攻撃のチャンスを得るが、FUSは中々シュートを打たせてもらえない。NeOもミスが出始めているが、味方のフォローに助けられ、ポゼッション確保した。3Qは3対2とNeOリードで最終クォーターへ入る。

 

4Q:最終クォーター。1点を追いかけるFUS。最初のドローはFUS・谷山(#27)がダイレクトでゲットしFUSボールに。高橋(#10)がチャンスを作り、中へカットした河合(#12)へのジャストパスが通るも、NeOの固いディフェンスに阻まれる。

続いて、NeOボール。関口(#10)のゴール裏の1対1に合わせたのは高野(#12)。絶妙なカットインからのシュートでFUSゴールを脅かす。NeOの攻撃は前半から勢いが衰えない。1対1の仕掛けから早いパス展開でボールを保持する。ここで、NeO・関口(#10)に対する厳しいディフェンスにより、FUSに本日2枚目のイエローカードが出さる。FUS再び1人少ない状態で守りを固める。チャンスを逃さないNeOは、またもやゾーンディフェンスを見事に崩す細かいパス展開を繰り広げ、ゴール前で待ち構えていた多賀(#6)にボールが入りシュートイン。これで、4-2となり、FUS本日初めてのタイムアウトを取る。

タイムアウト明け、FUSボール。ここで水戸(#17)が意地を見せる。15mエリア上のスペースからスピードに乗った1対1を仕掛ける。DFを置き去りにし、そのままゴールへシュートイン。1Qぶりの得点により、4-3。再び1点差に迫る。

これに対しNeOはすかさずタイムアウトをとる。試合時間ラスト7分。FUSドローをゲットするも、NeO・山本(#15)がインターセプトしNeOセットプレーになる。

その後一時FUSがボールを奪うものの、NeOオフェンス陣の必至な奪い返しにより、こぼれ球をゲットしたNeO・関口(#10)のシュートが決まる。これで5-3となり、FUSは再びタイムアウト。

ラスト5分。FUS・山田(#5)からゴール前の高橋(#10)へジャストパスが入り、豪快なシュートを打つが、NeO・ゴーリー井上(#31)がスーパーセーブを見せる。

ラスト3分、2点差を追うFUSは、ボールに2人当て奪いにかかり、攻撃へ繋げる。フリーシュートのチャンスを得るが、ここでもNeO・ゴーリー井上(#31)の好セーブが光る。最後は、NeOオフェンス陣のポゼッションにより、試合終了のホイッスルが鳴る。5対3でNeOが勝利した。

 

Text by 森 若菜(MISTRAL)

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