2024年11月22日(金)

【お知らせ】2024年女子20歳以下世界大会審判員派遣体験記

審判員

大会概要

2024年8月15日〜8月24日に香港で開催された2024 world lacrosse women’s U20 championshipに日本から10名の審判員(on-field 8名、educator 2名)が参加しました。今大会は12カ国からon-field 37名、educator 6名、leader 3名の総勢46名の審判員が参加しました。参加審判員数は、日本はアメリカに次いで2番目の多さでした。

※on-field: 実際に試合で笛を吹く審判員。

※educator: 今大会から創設。大会全体を通し各審判員のパフォーマンス向上に向け、審判技術等のアドバイスを行いフィールド外から支える役割を担う。

※leader: 審判団の取りまとめを行う。

大会前

大会前の期間は、World Lacrosse(以下、WL)から課されたルールテストやフィットネステスト、審判技術に関するオンラインコースの受講、課題提出を行い、オンラインミーティングでは大会に向けて共通認識を深め、準備を進めていきました。国内ではマニュアルの勉強や代表練での実地、相互査定を行いました。派遣審判員同士、お互いのパフォーマンスを客観的に確認し、課題を共有しながらチーム一丸となって取り組んでまいりました。

代表練には、20歳以下女子日本代表の選考段階(本年1月)から毎月参加させていただき、WLルールでの実践を積みました。特にJLAルールとは異なる15m半円での実戦の機会は貴重であり、グラウンド外において審判員同士でディスカッションしている内容を代表練で実践し、パフォーマンスに反映させていくことを意識して取り組みました。また代表練では、選手やコーチの方々と世界大会を想定した会話をさせていただき、双方のレベル向上に向け取り組みました。審判団としては、これまでの経験を活かし、世界大会でのジャッジの面や他国のプレーについて、またWLルールでのプレーに関する点をお話ししながら、選手やコーチ目線での考えもお聞きすることで、考えを深め、大会に向けた準備をより良いものにしていきました。

大会期間中

8月11日に現地に到着し、翌日から3日間の対面ミーティング、練習試合を経て、8月15日から10日間の大会が始まりました。大会期間中、各審判員がそれぞれ6〜8試合に派遣されました。全試合でeducatorによる査定が行われ、試合毎にフィードバックをいただきました。

現地の気候は、日本の夏よりは気温はやや低く、湿度は高く感じました。全体としてはハードな気候環境であったため、暑さの厳しい日本での準備がいかされたのではないかと感じました。会場はメインスタジアムを含め合計5会場ありましたが、雨も多く、大会中盤からは主に天然芝及び人工芝のグラウンドで試合は実施されました。会場には各国の応援団も来ており、熱い応援を行う姿が見られ、チームと観客が一体となって戦う印象を受けました。

個人の所感

私は今回初めて世界大会に参加させていただきました。初めてフィールドでnational anthem (国歌)を聞いた時には、世界大会に来たことを改めて実感しました。各チームが各国を代表して戦い、試合後には互いの健闘を讃え合う姿は、世界大会に参加したからこそ見られるものであり、同じフィールドに立てることを光栄に感じました。各国の審判員とのコミュニケーションは日々刺激的で、言語や文化は違えども全員がラクロスに対して真摯に向き合い、互いに尊重し合いながら毎日ディスカッション出来る環境は、大変貴重なものでした。

2022年にアメリカで行われた世界大会の際は、付帯大会(Festival)に審判員として参加させていただき、本大会は観客としてスタンドで観ていました。2年後、U20世界大会のフィールドに審判員として立てるとは、当時の自分からは思いもよりませんでした。多くの方からの温かいサポートと、関東をはじめ、全国の仲間からの刺激を受けて進み続け、幸運にも辿り着いた舞台でした。この貴重な機会を頂けたこと、大変感謝しております。

これから世界を目指す方々にとって少しでも刺激になれるよう、引き続き前を向き、技術向上のみならず審判員として進化していく姿を見せていきたいと思います。

最後に

今大会、20歳以下女子日本代表は3位という成績を残しました。今後の日本ラクロス界の競技力向上の一躍を担う意味でも、審判員の更なるレベル向上が必要となります。今大会で得たものを国内活動でも広めていき、日本ラクロス審判界の更なる発展に寄与できるよう努めてまいります。

Text by 乃一純(派遣審判員)

写真:Ⓒ日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー 海藤秀満
女子20歳以下日本代表広報リード 岡田桃佳

写真提供:Anika Altenhaim、David Brucie Morris、Joyce Tong、阪本一美 (敬称略)