<ワールドカップ通信1998>
最終報(1998.8.1掲載)
text by 早川靖彦
まる2週間作業したMyOfficeRoom(?)兼スタッフ休憩所兼・・・
いろいろ。
大活躍のパソコン。延長コードなどケーブルだらけ。当然電源もタコア
シで8個使っていた!
メイドさんがベッドメイクに来てもほとんど部屋にいてパソコンに向か
ったり、プリントしたりしてるので、「何しにきたの?」と聞かれた
り、大量の空き瓶を見て「昨日より少ないけど、飲みすぎは毒よ」などなど。乗り継ぎのNYJFK空港にて同じ便で帰国するTeen's達に囲まれサ
インやメッセージに応じるPrince瀬田。飛行機の中でも同様の光
景。
「(瀬田に会えて)ホントに来て良かったア」となんだかわけの
わからない喜びかたのTeen's諸君。ホストの家族にちゃんと手紙
出してね!Presentation Banquet なんと4:00PMから10:00
PM!!Baltimore Convention Center内BallRoom。千葉の幕張メッセ
などを想像してもらうと良い。4:00〜6:00カクテルParty
(?)立ったまま延々と交流が続く。日本選手にはちょっと酷か?そして体育館のようなBallRoomに入場。約1000席!6:00〜
7:30Dinner。
既にぐっすり眠っている医科研・山田君。
そして〜9:00表彰式
日本チームから唯一個人名を呼ばれたG吉田。「SpiritOfLacrosse」各国か
ら1名選ばれる。
このParty、全体的にはアメリカ万歳ムード。(当然か?)
運営責任者から、ヘッドコーチまでみんな感極まって涙、そして涙。
スピーチの途中に言葉を詰まらせない人が一人もいなかった。
(アメリカ人のみ)
MVPはご存じRyanWade(MF,USA)最近までワーホリでオーストラリアの
Sbiaco Clubでプレーしていたため、オージー達がここぞとばかり大歓声。
カナダ−USA決勝戦を観戦する日本選手達。
さっきまでうなだれていた奴らとは思えない。緊張が完全に解けたからか、
日本選手席付近は大宴会状態。当事者や現場に近い関係者ほど、大会が終了
すればスッキリできる。なんだか羨ましい。さあ気を取りなおして、締めくくりましょう。(inTokyo,Japan)
選手団はBanquetを終え、7/26早朝6:00McCoyHallをバスで出発、NYJFKまで約6時
間の旅。JFKではDF東口の指示のもと、会社員組が会社へのお土産を買いまくる。
JAL007便にて27日4:40PM成田に予定通り到着。
明日から会社、既にそれぞれ全員がリハビリ体制なのには驚かされる。さらっと解散した。E-Lacrosseで皆さんチェック済みでしょうが、最終ランキング。
優勝 :USA
準優勝:カナダ
3位 :オーストラリア
4位 :イラコイ
5位 :イングランド
6位 :ドイツ
7位 :スコットランド
8位 :日本
9位 :チェコ
10位:スウェーデン
11位:ウェールズ94年前回大会と比較するとカナダ、イラコイがワンランクUP。
日本は前回6位(6カ国中)・・・・。
目標は達成できずに終わった、と言うしかない。Q1:「どうしてドイツに1回目は勝ったのに・・・」
A1:はい。今大会の連戦での日本の戦略は一度も体を緩めず一気に突破する、というもので
した。がPlayInでいきなりIRQにあたったこと。IRQ戦終了から半日以内でのゲームにな
ったこと。そして何より、緩んでしまったこと。それらが原因と考えます。1回負けた
ら、後は全敗だろう、という予想が的中してしまった。
チームマネージャー田口が帰国してから全部負けた、という説も・・。
やはり田口、「Key-Man」でした。(?)Q2:「IRQは以前より強かった?」
A2:強かった、とも言えます。常に3点差を維持されたというところが、その後の試合への計
画的な試合展開と考えてしまうと、12−9という結果もなんとも言えません。また毎大
会、渡航費が問題になっているだけに(カナダも同様)、国内の大会ということで実力目
いっぱいのチーム編成が可能になっていた、という見方もできます。Syracuse大の選手な
どを多く有するイラコイ。
確かに日本は躍進しました。それはもう明白ですが、他の国も成長するのです・・。
当たり前ですけど・・。Q3:「2002(AUS開催)までに日本は何をすれば・・」
A3:まずは今回の日本代表チーム。過去最大の人材、資金を投入し、U-19も含め4年間かけ
て臨みました。それでもこの結果・・。はっきり言うと、代表活動そのもの、「世界に通
用する日本を」という命題そのものを、まずは再検討する必要があると考えています。
その達成スパン(何年までにOOO...など)が主ですが。
会費を投入している限り(年間予算の約1/10+α、2年間約¥1500万)、その後の
貢献を選手スタッフに義務化する、もっとPRに力を入れる、広く選考する、・・・など
様々です。
今回はサッカーW杯での日本代表の風潮に私も含め、ダブらせていたことは否めないの
で、ああ、次は日韓共同開催ですね、じゃあまた・・・。
今大会で明確になったこと:
・日本の戦術に間違いの無かったこと(これでいくしかない)
・これだけパワーをかければ(過程)、ここまではいける(結果)、というライン
・瞬発系体力の向上が必要なこと(連戦であることも含め)
・経験年数の重要性今後のFocusポイント:(特に変わりはないですが)
・若年層への動機付け(わずかな高校生、そして大学1年生)
・大学チームの組織レベル向上(特にコーチ、長期的視野で監督できる人間)
・国際経験
どれも容易ではない・・・。でもやるしかないでしょう。あまり言ってはいけないことかもしれないが、選手スタッフは120%のチカラをだした。
すくなくとも私の目にはそう映った。
世界の舞台でまったく物怖じせず、立ち向かい、戦術を実行する姿。頭をパンパンにして準備
をするコーチそしてスタッフ達の姿。
何より、日本からの応援、多数のトライアルゲームでの応援。
すべてが21世紀に日本ラクロスが超えなければならないハードルの高さを驚異的に引き上げ
たことは確かだ。日本ラクロスは成長した。成功ではないが道は見えている。
やらなければいけないことも明白だ。
いかに早い段階で、現役選手、元選手達が、若い選手のための環境作りサイド(コーチ、マネ
ジメント、資金、など)に従事できるかが鍵になる。
いくら現役選手を続けても、美談にはなるし、国内レベルでは優勝もできるだろう。
しかし世界には通用しない=日本ラクロスの成長は無い。
もちろん容易ではない。本来ならまだ若すぎる、とも言えるからだ。
そのような風潮が日本社会、スポーツ界には無いため(コーチ=教師、マネージャー=女子マ
ネ、選手でないと休暇取れない、など)、これはいろんな意味での「挑戦」になる。超マイナーなラクロス。だからこそ達成の可能性が高い。
すべてのラクロス関係者が大切にするしかないからこそ、みなさんのラクロス愛が、日本ラク
ロスの発展を促す。
キレイごとのように聞こえるだろうが、本当はみんな、わかってはいるはずなのだ。ニッポン、高いハードルをありがとう。
Copyright(C)@Japan Lacrosse Association1998.8.1