日本ラクロス協会 国際部長 斎藤珠恵
3月25日から4月3日という日程で、Teen'sラクロスの女の子達が、初めての
海外遠征に行きました。訪問地はシドニーとアデレード。ホームステイで現地の人
との交流を楽しみながらの滞在となりました。
シドニーでのメイン・イベントは、womensportという団体が主催する、女子ス
ポーツの祭典でのラクロスの試合でした。シドニーでは、ニューサウス・ウェール
ズ州の独自のルールを採用し、12分クォーター制、フライ制の交替、1チーム6
〜8人、11メートルと15メートルのゴール前のラインがない、というようなゲ
ームをしています。慣れないルールに戸惑いながらも、いくつかのナイスシュート
を決め、楽しいゲームの展開となりました。
シドニーでは、まだラクロスがそれほど盛んではなく、オーストラリア・ラクロ
ス協会のスタッフが派遣され、徐々にソフト・ラクロスを学校の授業に導入しる段
階です。今回の滞在では、サンタ・サビナ・カレッジとノース・ショアという女子
高の生徒の家にお世話になりました。ラクロスの普及は裕福な家庭から、という方
針だったのでしょうか、ホームステイ先の家は豪邸が多かったらしく、興奮しなが
ら「現地報告」をする姿も見られました。
アデレードは日本人の受け入れも既に何度か経験しているだけに、ホームステイ
のコーディネートもスムーズで、毎朝9時に集合拠点となったパラントさんの家へ
マイカーで送り、ラクロスが終わるとフィールドまで迎えに来る、というスタイル
で徹底していました。ラクロス関係者の家庭にホームステイをしたので、共通の話
題で盛り上がったり、チーム練習に参加をさせてもらった人もいたようです。
アデレードの滞在は平日だったため、日中は観光をし、夕方からラクロス、とい
うスケジュールになりました。グレネルグという海岸沿いの町、ドイツ村、コアラ
やカンガルーに会える動物園などを訪れ、オーストラリアの雰囲気を楽しむことが
できました。
アデレードは今年でラクロスが始まって100年を迎えるそうです。今回訪れた
クラブチームもそうですが、簡単なダイニング(台所)やシャワールームを備えた
クラブハウスがある専用フィールドを持つクラブもあり、日本人から見ると羨まし
い限りです。フィールドも広く、私達が試合をしている隣で、男子チームが練習を
していました。また、その男子チームには、5年前の日豪交流遠征で日本に来た選
手もいて、思いがけない再会を果たすことができました。
今回はラクロスだけではなく、ホームステイや現地の人達との交流の体験を目的
としていた遠征でした。特に10代という若い世代のラクロッサーに海外でのラク
ロスを見て、その魅力を感じてもらうことが、今後の日本のラクロスの発展につな
がることを期待しています。
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