レポート Vol.13 2005年6月29日(水) 今日は試合がない日なので、明日のカナダとの4位以上をかけた決戦に備えて、肉体的/精神的な準備の1日。 午前中は軽く調整練習を行い、午後は大会側主宰のビーチバーベキューへの参加、ミーティングというスケジュールだった。 Navyは本日入学式。 親御さんが見守る中、支給されたユニフォームを着用して、学則を読む新入生達。見れば眼鏡まで揃っている。 16時。Navyから車で20分ほどのところにある海岸沿いの公園にて、全参加国が揃って大会側主宰のビーチバーベキュー。日本でのバーベキューのように焼き肉とはちょっと違う。 ここでもサインサービスをする選手達。 参加国から選手代表者が1名ずつスピーチ。 “オーストラリアとイングランドは仲が良く、月曜日の試合ではオーストラリアベンチのカンガルーのぬいぐるみがイングランドのユニフォームを着ていた”など、試合では伝わらないチーム状況やユーモアが垣間見えて面白かった。 日本からは川口圭子(ケイコ)が、最初にワールドカップのスタッフボランティアに感謝の意を表し、「ここにいる何人かの人は日本が勝ち続けていることに驚いていると思うけど、私達は満足していないし驚いていない。これからの試合で、これらが充分だったかがわかる。日本人はコミュニケーションが下手でニコニコしか出来ないけど、交流したいので話しかけてね。」と素晴らしいスピーチをした。 選手同士でもコミュニケーションを取り、互いのプレーを讃え合って交流を深める。 意外にバーベキューが軽食だったため、明日の試合に向けて力をさらに充電するため、Navyへの帰り道に日本食レストランでご飯、すきやき、太巻きなどを調達し、寮の廊下でささやかな決起会を行った。 夜、激しい雷雨となったため、ミーティング部屋への移動を避けて、使用していない宿泊部屋のブラインドを利用して、カナダのスカウティングビデオと日本の対ウェールズ戦を見ながら、明日のプレーの確認。 佐藤壮(タケシ)AC、「1対1で負けたら負けの集合体だから、スパイダーとか絶対できない。だから1対1で負けるな。」 高田静江(シズエ)HCは気持ちを高めるために、この時点ではまだミーティングに現れていない。ここで、高田HCへのサプライズとして、出発前にマネージャー陣が、このような大事な試合の前に皆で着ようと、選手にも他のスタッフにも、もちろん高田HCにも内緒で作成してあった、“シズエTシャツ”を皆に配る。前面には高田HCの写真と、自身が仕事のため参加出来なかったウェールズ遠征の際、出発時に選手達に託した手紙にしたためられていた詩から引用した「闘い続けた人が勝つ」という言葉。背面には、チーム全員の名前がプリントされたものである。高田HCが気持ちを高めて部屋に入って来たとき、このTシャツで迎えようという、志気を高めるためのTシャツだ。15分ほどして高田HCが登場。しかし、あまりにも集中しているため、全員が揃いのTシャツを着ていることに全く気付かない。5分程して「何これ!!!」と驚き、自分の姿がプリントされていることに恥ずかしそうだったが、すぐに意図を汲み、自らもTシャツを着用した。 そして用意して来た紙を貼り、次のように話し出した。 「明日のカナダ戦にものすごい思い入れがある。でも、多分みんなは3位以上を狙っていて、明日の試合で終わる訳はないんだけど、ここまで勝ち続けて来た現状は、明日の目の前の敵を倒さなければ先に進めない。先に進むための大事な試合。日本は泥臭くていいの。必死で良いの。常にチャレンジャーなんだから、うちは。例えば後半5点リードしてて、”やった勝てる!”って思った時点で絶対負けるよ。追撃の手を絶対に緩めちゃ駄目。日本はこれまでの闘いで、”チーム”として出来上がっていると思われている。でも、ここからの壁。メダルが欲しいと思った時に、自分の殻をやぶる、”独り立つ精神”が必要になってくる。人って集団でいる時はすごく強い。だけど、一人になると寂しくなって不安になるのが人間。それでも明日は一人一人がもっっと強い精神を持たないと勝てない。絶対に目の前の相手から逃げないで欲しい。無理な事って絶対ない。自分で作ってるだけなの。限界を作らなければ勝てない相手はいないって自分は思ってるのに、そう思っていない人にプレーを任せたくなかった。でも、もうみんな全員それが出来るから。だから絶対逃げないで真っ向勝負しなさい。」 最後に、佐藤壮(タケシ)HCの言葉を引用する。 「今この場にいない人、アナポリスに来られなかった人も、この日本代表にこれまで携わった人全員が、確信して欲しい。「」 「闘い続けた人が勝つ」 決戦は日本時間で深夜0時ドローだ。 4位以内確定をかけたウェールズ戦、さらにその先の、日本にとって未知の世界を切り拓いて行く、これからの闘いに向けての選手全員の意気込みをお伝えします。 #1西村麻希(マキ) 自分を、チームを信じるのみ。いざ!!戦闘へ #2豊田亜友子(トヨ) 「うまい」だけじゃない、「強い」JAPANを世界に見せつける。挑戦!! #3渡辺奈緒(ワタ) 今しかない!やるしかない!歴史を変えます。 #4大河原寿代(ヒサヨ) 最大級に自分を信じ、みんなを信じる。 #5川辺美穂子(アキラ)Cap 魂込めます #6川口圭子(ケイコ) やっと来た!チームが大化けする時。 #7澤田彩(ナナ) 死ぬまで走る!!さぼったら負け #8松井理紗(リサ) こんなにわくわくしてるのは久しぶりです。日本の皆さん、いってきます!やってきます! #9小林絹枝(キム) 自分の「力」、そしてチームの「力」をぶつけきります! #10佐々木梓(アズ) JAPANの可能性は無限です。苦しい時にこそ自分の役割を発揮する。 #11徳永志帆(シホ) 今を生きる。歴史が動く。 #12濱田亜衣子(ルイ) 限界を超え、その向こうへ行く!わくわくぅ〜〜 #13塙妙子(タエコ) 死に物狂いでガンガン走り込むぞぉ! #14上井華奈(ウー) 追撃の手を緩めず、闘い抜く!やるぞぉ!!!! #15山田幸代(サチ) All for one , one for all!!!自分は雑草でいい!! #16和田亜紀子(ドン) 「全てを賭ける」 Photo & Report by 日本ラクロス協会広報部・橋本薫
高田静江(シズエ)HCは気持ちを高めるために、この時点ではまだミーティングに現れていない。ここで、高田HCへのサプライズとして、出発前にマネージャー陣が、このような大事な試合の前に皆で着ようと、選手にも他のスタッフにも、もちろん高田HCにも内緒で作成してあった、“シズエTシャツ”を皆に配る。前面には高田HCの写真と、自身が仕事のため参加出来なかったウェールズ遠征の際、出発時に選手達に託した手紙にしたためられていた詩から引用した「闘い続けた人が勝つ」という言葉。背面には、チーム全員の名前がプリントされたものである。高田HCが気持ちを高めて部屋に入って来たとき、このTシャツで迎えようという、志気を高めるためのTシャツだ。15分ほどして高田HCが登場。しかし、あまりにも集中しているため、全員が揃いのTシャツを着ていることに全く気付かない。5分程して「何これ!!!」と驚き、自分の姿がプリントされていることに恥ずかしそうだったが、すぐに意図を汲み、自らもTシャツを着用した。
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