Go To TOP PAGEWomen's Japan Lacrosse National Squad

 U19男子日本日本代表

2010年男子日本代表・スタッフコラム
 このページでは、男子日本代表チームをスタッフの目線から紹介します。
 
 第1回:アシスタントコーチ・菅井毅

菅井毅


 ・出身:慶應義塾大学、Desafio club team
 ・経歴:2003年/2004日本代表選手
     2007年U21男子日本代表ヘッドコーチ
     2009年U22男子日本代表ヘッドコーチ
 ・勤務先:三五商事株式会社
 ・出身大学:日本ラクロス協会

 

 2010年男子日本代表アシスタントコーチに就任し、現在、W杯でカナダ、アメリカに次ぐ3位を目指し日々活動しています。

 私自身、日本代表への想いは特別なものがあります。学生時代、一度も世代別の日本代表選手には選ばれたことなく、いきなり日本代表候補として大学4年生の時に選ばれました。だが、結局候補のまま落選。2003年、2004年で日本代表選手に選ばれ、W杯で日の丸を背負って活躍したい想いを原動力に活動した結果、2006年も候補で落選。

 当然悔しい思いはしました。ただ、その悔しい思いこそ、私の原動力となり続け、現在の私があると思っています。

 なんで日本代表は特別なものなのか?「日本を代表して世界で戦う」、これほど夢があり、やりがいがあることなんて他にないでしょう。

 U21、U22男子日本代表選手に今まで関わってきましたが、選手は本当に短期間で簡単に成長します。代表活動で掲げる「フィールド内で自分で考え、自分で状況に対応していく」能力はもちろんのこと心技体全てにおいて成長していきます。その成長のきっかけはなんだろうと考えると、一番は勝ちたい気持ちでしょう。だから、私の仕事は勝ちたい気持ちにさせることなのです。

 日本人がスポーツでなかなか勝ちきれない理由。体格面?技術面?上記にも記載していますが、「気持ち」の面が大半を占めている気がします。その「気持ち」を得る為には、「自信」をもつことです。当然自信は、努力したものから出てくることが普通です。ですが、試合での局面では、それ以上に「信念」が重要な気がします。目的を達成したい、しなくてはならないという気持ちを皆さん持った事がありますか?人生の一時でも熱い思いをもって生きてほしい。学生、社会人含めたラクロス選手にそんな幸せな時間をもてることを願っております。

 さて、Technicalな話をしたいと思います。現在、アシスタントコーチとして、全般的に関わってはいますが、主にオフェンス、フェイスオフを中心に指導しています。今回は、オフェンス、ディフェンスに関わる情報は選手が書くと思いますので、ニュートラルなシチュエーションとなる「フェイスオフ」に関して書きたいと思います。

 ラクロスでニュートラルなシチュエーションは、得点の確率でいうと一番高いシチュエーションです。その中の一つのシチュエーションが「フェイスオフ」です。よって、「フェイスオフ」がキーとなるシチュエーションであることは理解できると思いますが、実際は(特に日本では)一番おざなりになっていたポジションでもあります。ただ、前回のW杯ではカナダのFace offerがMVPをとったことからも、世界でも認識に変化が表れていることが容易に想像がつきます。ポゼッション時間を多くする、試合の主導権を握りやすくするには「フェイスオフで勝つこと」、これが一番Easyに得る方法だと思います。

 今までであれば、フェイスオフ経験者の一番上手い選手をピックアップして技術練習をさせていましたが、今回はポジション関係なく、より多くの選手を選出し基礎技術から教えています。それは、体力、筋力ともに劣る日本人は、1人のプロフェッショナルに任せても最終戦までもたないという前提からこの発想が生まれています。Skillについて、持論となりますが、体系化するとMentality、position、Technical(特にスティックの扱い方)、Physical、グラウンドボールへの早い反応と確保能力(ball control)の5点がBasic skillとなり、そして「相性」の点が合わさると考えています。特にpositionは重要なファクターで、足と腰の位置でこの選手が勝てそうかどうかが伝わってきます。

 日本ラクロスは、まだまだ発展途上の段階です。文化がなく、ようやく、一番上の年代で40代前半。これは一つのチャンスです。話は変わりますが、日本社会全体が、変化に鈍くなっています。それは成功体験からの脱却ができないこと、チャレンジできないことが要因ですが、それを脱却できるきっかけになるのは間違いなく若い世代だと私は思っています。無駄な経験からのしばりがない。その分、チャレンジする土台としては申し分なし。

 そして、そのチャレンジこそが「文化」をもたらすきっかけとなるでしょう。

 日本代表にはその「文化」を作り上げるチャンスがあるのです。

 ボールゲームとラクロスをリンクさせることからスタートした日本代表活動。技術面、戦術面は間違いなく成長しています。選手も目標に向けて必死に考え、必死にプレーし、そして何よりも楽しんでいます。あと何が必要かは、勝つための強い気持ち。

 W杯3位を必ず実現させるべく、選手、スタッフ一丸となって戦っていきたいと思いますので、応援の程よろしくお願い致します。

 

Text:男子日本代表アシスタントコーチ・菅井毅
Photo:日本ラクロス協会広報部「.Relax」編集部・大木佳奈

 

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