2010年男子日本代表・第6回活動レポート(2010年2月21日) |
2月21日(日)、大井ふ頭中央海浜公園第2球技場にて強化練習が行われた。 |
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レポート執筆者: 池川健
・背番号:#7
・ポジション:AT
・学年:社会人1年
・所属:Stealers
・出身大学:成蹊大学
・代表歴:2007年U21日本代表 |
・得意なプレー:DFが嫌がる or 騙すプレー
・注目してもらいたい点:点に絡むプレー・ラクロス好きなところ
・ご覧の皆様へ一言:
5年前自分自身がそうだったように、日本代表の試合を見て、ラクロスを好きになる人が一人でも多くなるような
試合・プレーをしたいと思っています。
今回の日本代表は、日本独自のラクロスをして世界大会3位という結果を残すため、本当に多くの方の支援をいた
だいて現在活動させてもらっています。
そんな方々に対して私たちは、結果はもちろん、日本ラクロスの発展ということでも恩返しをしていきたいと思っ
ています。
今回の活動では、クリニックや大学チームとのスクリメッジ、国内遠征など様々な方と関わる時間が多くあります
ので、ぜひそちらにも見学・参加して頂きたいと思います。
そしてラクロスとそれに関わるすべての方に感謝申し上げます。 |
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<今回の練習メニュー>
・全体ミーティング
・ブレイク局面のフィニッシュで練習
・大学チームとのスクリメッジ
(明治大学・早稲田大学・成蹊大学と各20分×2Q) |
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コーチミーティング |
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全体ミーティング |
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今回もミーティング前に、体重・体脂肪・BMIの測定を行った。定期的に行われる測定は、20mマルチフィットネスランや柔軟性テストを含め、世界大会でベストパフォーマンスを維持し、連戦を戦い抜くための身体作りの指標となっている。
全体ミーティングでは、コーチ陣からまず今回のスクリメッジの位置づけについて話された。
このスクリメッジは「どれだけ自分たちがやろうとしていることを徹底できるか」にフォーカスしている。
そのため、
・ディフェンスエリアでのアウトバウンズは全て相手ボール
・オフェンスエリアでのシュートチェイスは全て相手ボール
という特別ルールで行われた。
つまり、このルールでは相手のミスによるアウトオブバウンズではボールを奪うことはできず、シュートを枠外に打つこともできない。
ディフェンス場面で、どれだけ自分たちの守備範囲にボールを入れさせてボールを奪い、オフェンス機会にできるか。オフェンス場面で、どれだけ確率の高いシュートを打てるか、またオフェンス機会を続けることができるか。こういった現在日本代表が目指すラクロスをしなければ、ボールは奪えず得点もできないのだ。
さらに、現在チームとして強化しているハーフフィールドオフェンス、ディフェンスの話があった。オフェンスに関しては、基本的にはフルフィールドもハーフフィールドも考え方は全く同じで、ポイントは
「ボールの周辺の状況をいかに有利にするか」
ということだ。
そのために、ボールの流れを予測して、いかに次のスペースを相手より先に奪うかが非常に大事になってくる。例えば、ハーフフィールドオフェンスでも外のスペースを奪うことでディフェンスを引き出し、中のスペースを結果的に奪うことができる。(このとき外の選手が外でもらうのではなく、中にいる選手が外のスペースを奪うことが大事)こういったオフェンスをするためには、ボールキャリアにプレーの選択を任せるのではなく、より状況を把握している非ボールキャリアが主体となりボールを動かすこと、またその時の距離感が重要となる。
ディフェンスに関しても、基本的には「ボール周辺のスペースをどれだけ有利にするか」を基に考えられている。特に相手がパス・フィード・シュートをするときはダウンボールになる確率は上がるので、パスやシュートの際はベクトルを考え、その周辺スペースを先に獲得することでボールを奪っていく。この考え方では、今までのようにパス・フィード・シュートを守ろうとディフェンスするのではなく、この場面こそボールを奪える最大のチャンスであると考えディフェンスをする。そして今回のスクリメッジでも、自分たちの守備範囲にボールを入れさせ、ダウンボールを誘い、ボール周辺のスペースを獲得しボールを奪う、ということが徹底できるかがポイントとなった。 |
アップ&フィールド練習 |
試合前は、フィニッシュ場面での崩しを重点的に練習した。
前回までの練習や試合で、日本代表がやろうしているラクロスが形になるシーンが増えてきていた。特にチャンスの数に関しては以前に比べはるかに多くなった。しかし、チャンスが増えた反面、フィニッシュの場面では個々がバラバラに動き、崩しきれないという課題が浮き彫りなった。そのために、二人以上で崩しきる練習を反復して行った。重要なのは、全員がボールをもらおうとして外に広がるのではなく、1人がディフェンスの守備範囲を削り取ることである。外に広がるだけではゴール前のスペースは奪えず、ディフェンスに守られている状態での確率の低いフィニッシュになってしまう。逆にディフェンスの守備範囲を削り取りスペースを使うことで確率の高いフィニッシュにつながるのである。 |
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そしてスクリメッジ。
「どれだけ自分たちがやろうとしていることを徹底できるか」
このコンセプトを基におこなわれたスクリメッジは、序盤こそ徹底できているシーンがあったものの、疲れが出てきた終盤にかけて徹底できなくなるシーンが多く出てきた。 |
スクリメッジ vs 明治大学 |
チーム |
1Q |
2Q |
TOTAL |
日本代表 |
9 |
8 |
17 |
明治大学 |
2 |
0 |
2 |
|
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日本代表vs大学チームスクリメッジレポート(1・2Q vs明治大学)
明治大学男子ラクロス部主将・鬼頭洋三郎 |
試合を通じて私達が感じたことは、日本代表の方々のプレーで難しいプレーはほとんどないということでした。「いかに有利な状況を創り出し、それを活かすか」を考えることの重要性を、この試合を通じて改めて実感することができました。有利な状況の創り出し方、活かし方を徹底的にビデオで検証し、今後の強化につなげたいと考えています。貴重な機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
日本代表の皆様、W杯に向けて頑張ってください。 イングランドまで観に行きます! |
スクリメッジ vs 早稲田大学 |
チーム |
3Q |
4Q |
TOTAL |
日本代表 |
6 |
2 |
8 |
早稲田大学 |
2 |
0 |
2 |
|
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日本代表vs大学チームスクリメッジレポート(3・4Q vs早稲田大学)
早稲田大学ラクロス部監督兼男子ヘッドコーチ・嶋田雄二(1994年、1998年日本代表) |
今回の代表との試合は大学にとっても日本代表をより身近に感じることが出来て、選手にもよい刺激になりました。ぜひ、こうした機会を積極的に設けていただき学生全体のレベルアップ、ひいては日本全体の底上げを図っていただきたいと思います。
日本代表と試合をさせていただいて感じた点は、切り替えの速さ、動きながらのプレーの正確性、個々人の次のプレーを予測する速さと連動した動きの共通理解の浸透です。特にゴール前エリアでの質の高い動きとブレイクからの展開は、得点力アップにつながると思います。特徴のある選手も多く、バリエーションも豊富ですから、オフェンス面は非常に楽しみです。
チーム全体は、かなりオフェンシブな発想をベースに作り上げられていると思いますので、世界大会の連戦を走り切れるフィジカルがますます重要ではないかと思います。その点では、フィジカル面に不安のある選手は主力選手には見当たらないですし、また、ベテランの経験も生きてくるはずです。
世界大会まであと4ヵ月、日本代表の勝利を心から祈っています。 |
スクリメッジ vs 成蹊大学 |
チーム |
5Q |
6Q |
TOTAL |
日本代表 |
3 |
4 |
7 |
成蹊大学 |
1 |
6 |
7 |
|
|
|
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日本代表vs大学チームスクリメッジレポート(5・6Q vs成蹊大学)
成蹊大学男子ラクロス部主将・竹原功将 |
日本代表と戦える機会なんて今までになかったので、とても良い経験になりました。
スクリメッジの予定が決まった瞬間から、チーム全体がワクワクモードでモチベーションアップにも繋がりました。試合前に、「成蹊らしくラクロスを楽しもう!」、「とにかくビビらず思いっきりやろう!」ということを最低限の目標にして参加しました。結果的に、臆することなく積極的にプレーすることができ、どのチームよりもラクロスをエンジョイできたと思います!今回のスクリメッジは、チームにとってかなりプラスになりました。ただ観客が少なくて寂しかったです。
男子も女子もラクロッサーなら誰が見ても、日本代表のプレーは勉強になります!次回はぜひ会場に足を運んで欲しいです。 |
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NO |
POS |
名前 |
vs明治大学 |
vs早稲田大学 |
vs成蹊大学 |
Total |
得点 |
アシスト |
得点 |
アシスト |
得点 |
アシスト |
得点 |
アシスト |
3 |
AT |
関根 幹祐 |
2 |
0 |
3 |
1 |
3 |
1 |
8 |
2 |
4 |
AT |
丸山 伸也 |
1 |
2 |
1 |
0 |
0 |
1 |
2 |
3 |
5 |
AT |
塚田 哲也 |
4 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
4 |
2 |
6 |
AT |
開 歩 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
1 |
7 |
AT |
池川 健 |
2 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
1 |
8 |
MF |
門田 雅之 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
9 |
AT |
継 渉 |
1 |
0 |
0 |
2 |
1 |
1 |
2 |
3 |
10 |
MF |
長谷川 玄 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
12 |
MF |
岡部 光人 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
14 |
MF |
及川 卓 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
15 |
MF |
本下 純 |
2 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
1 |
16 |
MF |
藤平 智大 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
17 |
MF |
壷井 直貴 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
2 |
18 |
MF |
佐保田 裕介 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
20 |
DF |
村松 哲周 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
23 |
DF |
引地 祥郎 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
24 |
DF |
水田 裕樹 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
27 |
DF |
畠山 昂太 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
29 |
MF |
大嶋 慧 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
2 |
0 |
Total |
17 |
10 |
8 |
4 |
7 |
7 |
32 |
21 |
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試合後のミーティングで大久保HCから、流れの悪い時間帯や疲れの出てくる時間帯は必ず世界大会でもくるが、そんな時こそ自分たちがやろうとしていることをどれだけ徹底できるかが大事であるという話があった。
どんな試合でも悪い流れには必ずくる。そして、たいていの場合、悪い流れの原因は自分たちにある。だからこそ、悪い流れの中で自分たちのやろうとしていることを徹底し、悪い流れをそのまま悪い結果に結びつけず、自分たちの良い流れにもってくることができるかが、非常に大事になってくるのだと思う。
私たちは世界大会で3位という結果を求める以上、あと5ヶ月で、自分たちのやろうとしていることを徹底し、世界と戦う時の日本の武器として体現出来なくてはならない。 |