2009年男子日本代表・活動レポート(2009年6月13日) |
対 米・メリーランド大学ボルティモア校(UMBC)戦 於 東京・江戸川区陸上競技場 |
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試合結果 |
<スコア> |
チーム |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
TOTAL |
日本代表 |
1 |
6 |
2 |
2 |
11 |
UMBC |
5 |
3 |
2 |
2 |
12 |
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<得点者> |
日本代表 |
UMBC |
#6 開歩 (3) |
#36 Chris Jones (4) |
#17 松下立 (2) |
#39 Matt Latham (2) |
#3 継渉 (1) |
#42 Shane Ryznar (2) |
#4 丸山伸也 (1) |
#1 Kevin Coholan (1) |
#7 池川健 (1) |
#10 Ryan Smith (1) |
#8 門田雅之 (1) |
#20 Kyle Wimer (1) |
#12 岡部光人 (1) |
#37 Chris Jones (1) |
#27 山中英範 (1) |
- |
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<日本代表メンバー&ポジション> |
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結果としては一点差の敗戦である。しかしながら、この一点差を引っ繰り返すことは容易ではない。10回戦ったら10回負ける感覚。
6月13日に日本代表が対戦したメリーランド大学ボルティモア校(UMBC)は、日本代表の実力を推し量り、必ずしも全力を出し切ることなく余裕を持って1点差で差し切った。本場・米国の、とは言え、大学生チームに対してフル代表がコントロールされた敗戦を喫する。残念ながら、これが現時点での我が国男子ラクロスの国力であり、世界に於ける立ち位置の現実である。 |
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第1クォーターは、UMBCの連続得点で始まった。
1対1で劣勢に廻った日本代表は、陣形も整わないままディフェンスが引き出され、空いたスペースに進入されイージーな得点を許した。ルーズボールの確保も覚束かず、ボールキャリアと受け手の意思疎通が図れずにポゼッションを失うなど、海外勢と戦う際に陥りやすい悪循環に嵌まり込み、1対5と大量リードされて第1クォーターは終了した。 |
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第2クォーターも立ち上がりに2点を失ったものの、ここからディフェンスを建て直すことに成功する。我慢するところと仕掛けるところ。この意思統一が出来たことにより、UMBCの連続得点に歯止めが掛かった。無駄にスペースを明け渡すことなく、陣形を崩さなければ、ボールを奪い返すチャンスが生まれる。
オフェンスも、第1クォーターは数少ないポゼッションの機会を無理な攻撃で失っていたが、ディフェンス同様、我慢と仕掛けの意思統一が図れれば、確度の高いシュートチャンスが生まれる。「相手ディフェンスよりも有利なスペースを確保する」という狙いそのものが具現化したターンオーバーからの得点も生まれ、一時は7対7の同点とする。 |
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ところが、第2クォーター終了間際から第3クォーターに掛けて、日本代表は再びゲームの主導権を失う。
きっかけは、やはりオフェンス・ディフェンスとも我慢が足りなかったこと。無理なトライからボールを失って、ターンオーバーから失点。イージーミスでボールを失い、焦ってファールを犯し、マンダウンから失点。
一度失った流れは、簡単には引き戻せない。接戦にはなったが、日本代表は常に主導権をUMBCに握られたまま終盤を迎え、そのまま敗北を喫した。 |
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男子日本代表の世界大会での歴史は、接戦を勝ち切れない歴史の積み重ねと言っても過言ではない。
2002年大会の5位決定戦(イングランドに13対12で勝利)という実績もあるが、1998年大会のイラコイ戦(9対12)、2002年大会イラコイ戦(第4Q終了時点で同点。延長で敗戦)、2006年大会のイングランド戦(8対9)、イラコイ戦(11対13)と、接戦に於いては敗戦のほうが遥かに上回っている。
日本の野球少年たちは、如何に勝ち切るかを知っている。
2006年、2009年とワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)で2連覇を達成した日本代表は、投手を中心とした堅い守りと、一発に頼ることなく繋ぐ打線という、日本が世界で勝ち切るための戦い方・方法論を明確に示してくれた。UMBCの20歳そこそこの選手たちも、幼い頃からラクロスに親しみ、米国代表や強豪校の戦い方に触れることで、勝ち切るための戦い方がDNAレベルで骨の髄まで染み込んでいる。 |
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2010年7月10日から始まる2010年世界大会まで、あと約1年。
日本代表が世界で勝ち切るために何が出来るのか、何をすべきか。1年という期間は長いようで、しかしながら世界の強国がラクロスに親しんできた100年を越える歴史に比べれば遥かに短い。歴史の差を乗り越える為には、世界のどこよりも充実した日々の練習と試合を積み重ねていく他に無い。 |