第20回全日本選手権チャンピオンを決めるにはふさわしい快晴の中、誰もが楽しみにしていたFALCONS
(以下、FAL)対VALENTIA(以下、VALE)の試合が、江戸川区陸上競技場にて行われた。
試合前、FAL主将#30水田選手は、「VALEはライバル。自分たちはもちろん、会場も楽しませ、点をたくさん獲って、負けてしまったクラブ選手権の仮を返したい。」と語った。一方、VALE主将#36長江秀選手は、「2年振りの舞台。FALは個人能力が高いため、うちはフィールドの選手も、ベンチ、スタンドの選手も一つになって、全員で優勝を目指す。」と語った。
そして、運命の試合開始のホイッスルが響き渡った。
第1クォーター。フェイスオフでVALEは、イリーガルプロシージャーを取られ、FALのポゼッションとなった。すると、途轍もないスピードのパス回しから、FAL#23丸山選手がゴール右横からアンダーシュートを決めた。この試合のファーストシュートがゴールになった。直後にもゴール正面からシュートを放つが、VALEゴー
リー#13篠原選手がセーブ。そして、VALEの得意のブレイクラクロスを仕掛けるが、パスカットをされてしまう。さらに開始6分、2人の選手が同時にファールをしてしまい、ツーマンダウンとなってしまった。この絶好のチャンスをFALは見逃さない。トップから中へカットインしてきたFAL#23丸山選手が、この試合2得点目を決めた。そして開始8分には、ゴーリーのフィードをFAL#9継選手がゴール前でカット。これを確実に決め、3-0とした。ここでVALEはすかさずタイムアウトを取った。ここでVALEは修正を行なった。そしてタイムアウト明けすぐに、VALE#7須藤選手がゴール左前から1対1を仕掛け、ランニングシュートを決めた。この後、VALEはもう1点を追加し、開始13分、VALE#89平野選手がエキストラマンオフェンスのチャンスで、ゴール正面から豪快なスタンディングシュートを決めた。これであっという間に試合を振出しに戻した。立て続けに失点をしてしまったFALは、プレーヤーの間で話し合い、ゾーンディフェンスへと切り替えた。このディフェンスは1対1が仕掛けにくいもので、速いパス回しで崩さなくてはならない。すると、VALEはパスミスをしてしまった。FALの作戦が見事に的中した。VALEの流れを止めたFALは、さらに2点を追加し、5-3でこのクォーターを終了した。
第2クォーターも、点の取り合いとなった。開始3分に、両チームともファールで1人少なくなった。直後、VALE#25吉江選手が、試合前VALE主将が、今日の注目選手に挙げたVALE#10村松選手の見事なパスをゴール右横で受け、シュートを決めた。開始6分にもVALEは1点を追加し、再び同点とした。しかし、FALも負けまいと攻める。同点にされた直後、開始7分、FAL#5長谷川選手が左手でランニングシュートを決めた。ゴーリーのタイミングをずらした、技ありのシュートだった。その後、FAL2点、VALE3点を追加し、8-8の同点で前半を終了した。
第3クォーターは、完全にFALペースとなった。開始1分、VALE#44島袋選手がサブマリンからゴールを決めた。しかし、VALEはこのクォーター、このゴールしか決めることが出来なかった。ディフェンスでは、第3クォーターだけで7ファールをしてしまい、流れをFALにもっていかれた。一方そのFALは、開始8分までに4点を
追加する、怒濤の攻撃を繰り返した。そして、開始13分、FAL#5長谷川選手が、第2クォーターで決めた技ありゴールを、再び再現した。さらに、第3クォーター終了2分前には、FAL主将#30水田選手が、ゴール左前から2人をキレイにかわし、ゴールを決めた。このクォーターまでで5点差がついた。
第4クォーター、FALは勝利を確信せず攻めた。もちろん、相手がVALEであったからだろう。一方のVALEも試合を全く諦めていなかった。相手がFALであろうと。まさに、両チームは良き「ライバル」だと会場に感じさせた。このクォーターでは、両チームともに4点を追加した。そして試合は、18-13でFALが第20回大会のチャンピオンに輝いた。
試合を通して、プレーの面でも、負けないという気持ちの面でも会場を楽しませ、心を引き付けたと感じた。尚、この試合のMVPはFAL#5長谷川選手、VPはVALE#44島袋選手となった。MVPに輝いた長谷川選手は、「昨日の夜イメージした通りの結果になり嬉しい。これからも応援してほしい。」と語った。
来年2010年は男子世界大会も予定されており、日本ラクロスのさらなる飛躍が求められる年でもある。今日の素晴らしい試合を観て、この2チームが日本ラクロスのレベル向上の鍵を握るものと確信し、さらなる牽引役として多いに期待したい。
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