日時:2008年12月20日(土) 14:00試合開始
場所:東京・大井ふ頭中央海浜公園第二球技場男子準決勝戦: 慶應義塾大学(関東学生1位) vs RAGGAMUFFINS(クラブ2位)
スコア
チーム 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL 慶應義塾大学 2 4 3 09
RAGGAMUFFINS 2 0 1 5 8得点者
慶應義塾大学 RAGGAMUFFINS #9 本下純 (2) #4 小林智彦 (2) #40 関根幹祐 (2)
#6 村松哲周 (2)
#6 近藤光 (1) #1 越智和之 (1) #7 小原正士 (1) #9 神津崇 (1) #8 樫村陽一 (1) #23 宇田川弦矢 (1) #11 澤野友亮 (1) #41 及川卓 (1) #22 齋藤胤太 (1) - *()は得点数
審判
主審 浅村憲郎副審 鷲北真誠 篠原将浩CBO 宮地圭BM 植田浩史
ゲームレポート
12月20日、冬空の下、西日が差し込む大井ふ頭中央海浜公園第二球技場。白ユニフォームの慶應義塾大学対、オレンジユニフォームのRAGGAMUFFINSが、今年最後の関東の試合を締めくくる。
試合前、慶應義塾大学#40関根幹祐主将は、「昨年はRAGGAMUFINSに負けて悔しい思いをした。でも、相手より自分達のことをしっかりやりたい。」と語った。対するRAGGAMUFINS#42横田亮二主将は、「昨年は慶應義塾大学に1点差で勝つことが出来た。試合を観てもやはり慶應義塾大学は強い。でも、学生だからではなく、RAGGAMUFINSらしい戦いをしたい。」と語っていた。
そして、いよいよ同じ空の下、大阪・長居陸上競技場での決勝の切符を賭けて。まさに今、両雄がぶつかる。
午後2時、第1クォーターのフェイスオフ。まずボールを制したのは慶應義塾大学。始まりから積極的に慶應義塾大学は、RAGGAMUFINSディフェンスに襲いかかる。シュートは撃たれるものの、そこは相手に良い体勢でのシュートを撃たせずゴールを防いだ。その後、守り切ったRAGGAMUFINSは反撃に出る。開始7分、慶應義塾大学はスラッシングとホールディングのファールによって痛恨のツーマンダウンになってしまった。そこは逃さないRAGGAMUFINSオフェンス。外でボールを回し、#6近藤光選手から#41及川卓選手にパスが出て、きっちりと先取点を奪った。しかし、負けじと開始10分に慶應義塾大学は、ブレーク攻撃を仕掛ける。そのまま#40関根幹祐選手から#9木下純選手にパスが渡り、ゴールを奪った。その後は、要所要所で両ゴーリーが身体を張ってセーブするも、両チーム共に1点ずつ奪い合って、第1クォーターは2-2の同点で終わった。
第2クォーター開始2分、慶應義塾大学#40関根幹祐選手が右サイドから1対1を仕掛ける。そして、ゴールに向かって思いっきり振り抜いたシュートは、そのままゴールの中に吸い込まれていった。更に続けてフェイスオフを制した慶應義塾大学は、#8樫村陽一選手から#7小原正士選手へパスが繋がり、そのまま一人を抜き去ってゴールへボールを押し込んだ。RAGGAMUFINSも慶應義塾大学ディフェンスに襲いかかるものの、慶應義塾大学#2岩本海介選手がゴールを堅く守り、中々決めきれない。ディフェンスで作った良い流れをそのままに、開始14分に慶應義塾大学#11澤野友亮選手がパスをもらい、左サイドからシュートを決めた。更に続けて、#52永島徳大選手から#8樫村陽一選手がパスを受け、そのままボールはゴール右隅に吸い込まれていった。前半は6-2で慶應義塾大学ペースのまま折返した。このまま、昨年の雪辱を果すことが出来るのか。それともRAGGAMUFINSが昨年に続き、学生に大逆転での勝利を掴むことが出来るのだろうか。
第3クォーターは、両チームとも落ち着いた立ち上がりの中、相手を探るかの様に試合が展開していった。開始9分、そこで糸口を見つけたのはRAGGAMUFINS。反撃の狼煙を上げるかの様に、ゴール裏からの1対1を#6村松哲周選手が仕掛け、右サイドにポジショニングしていた#23小佐野孝夫選手に絶妙なパスを出した。そのパスを大切に受け取り、シュートを決めた。しかし、慶應義塾大学側にまだ流れが残っていた。開始11分、#40関根幹祐選手がリストレーションライン付近から、目の覚めるようなシュートを浴びせ、ゴールにねじ込んだ。更に2点を追加し、9-3で慶應義塾大学がRAGGAMUFINSを突き放した。
第4クォーター立ち上がりからRAGGAMUFINSが、慶應義塾大学ディフェンスに攻め込むも、得点を挙げなくてはならないプレッシャーからか、淡白な攻撃が続いた。しかし、そこは数々の修羅場を潜り抜けてきたRAGGAMUFINSオフェンス陣。開始5分、#9神津崇選手が得点を挙げ、更に1分後に#4小林智彦選手が得点を挙げる。試合のペースはRAGGAMUFINSに傾き始めた。更に1分後の開始7分、#6村松哲周選手がトップからの1対1を仕掛け、相手を抜き去りまた追加点を挙げた。RAGGAMUFINSにも意地がある。ここで、怒涛の3連続得点を挙げた。しかし、慶應義塾大学も激しく攻められるものの、守護神#2岩本海介選手を中心に全員でゴールを守りに行く。しかし、一度掴んだ流れを絶対に離さないRAGGAMUFINS。更に開始17分、#4小林智彦選手はクリースの位置でボールをもらい、どうだと言わんばかりにシュートを放ち、ゴールを奪う。そして開始19分には、#6村松哲周選手が得点を挙げ、慶應義塾大学を1点差まで追い上げる。しかし、ここでRAGGAMUFINSは痛恨のスラッシング。だが、これでは分が悪いとRAGGAMUFINSも同時に慶應義塾大学側のクロスチェックを要請した。なんとこれが違法と判断された。最後の1分、5対5での攻防が続く。しかし、慶應義塾大学の「勝つんだ。」という気持ちが勝った。試合終了の長い笛が会場に響いた。両チーム共、力尽きたかの様にフィールドに倒れこんだ。この笛で、慶應義塾大学は4年ぶりの決勝進出を決めた。
慶應義塾大学ゴーリー#2岩本海介選手は、「クリアでミスを沢山したが、みんなのフォローによって勝利を掴んだと思っています。ラクロスが大好きです。」と声を高々に語った。#40関根幹祐主将は、「勝因は、みんなの応援のお陰です。次の相手は日本代表が沢山いるFALCONSだが、慶應義塾大学は絶対勝ちます。」、と次への抱負を語ってくれた。
次は大阪に舞台を移すが、関東のチーム同士、関西ラクロス界も巻き込んだ新たな風を吹かせてきて欲しい。
Report:赤沼達彦(国士舘大学)
Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
Photo:日本ラクロス協会国際部・鹿内映里