第20回国際親善試合第1試合目、関東のクラブチーム及び学生から選び抜かれた関東選抜、対するは、昨年度の全日本選手権大会覇者VALENTIA(以下、VAL)との試合が行われた。特に、関東選抜は日本代表経験者を多数擁するチームである。
試合開始1分すぎ、VALのスラッシングによるファールで、関東選抜がエキストラマンオフェンスのチャンスを得る。しかし、VALはそのピンチを乗り切り、マンダウン解除直後にVAL#1 相澤清之選手が先制点を決めた。その後もゴール裏をうまく使い何度も関東選抜のゴールに攻め込むも得点に結びつけることはできない。逆に、前半5分、関東選抜が#10門田雅之選手からのパスを受け、#13池川健選手が同点ゴールを決めた。この得点が関東選抜に流れを引き寄せた。同点ゴールから2分半後、関東選抜#22畠山昴太選手がクリアーボールをゴール右横まで運び、スラッシングのファールを受けながらもゴール前の#5塚田哲也選手にフィードを出し、見事得点した。さらにこの得点から3分後、フィードを受けた#5塚田哲也選手が本試合2得点目を挙げた。この後、裏からのフィードを受けたVAL#1相澤清之選手に得点されるも、関東選抜はVALに流れを渡すことはなかった。逆に、引き離しにかかる。前半16分、VALのクリアーに対し早いプレッシャーを仕掛けボールを奪った関東選抜#6松村哲周選手がゴール前にいる#5塚田哲也選手へパスを出し、無人のゴールへ本試合3得点目を決めた。その1分後、ゴール前での速いパス回しからフィードを受けた関東選抜#6村松哲周選手が得点し、3点差とした。しかし、前半終了間際にVAL#18高橋塁選手が得点し意地をみせた。これが前半最後のプレーとなり、前半を5対3と関東選抜のリードで終了した。
後半序盤、両チームのゴーリーのセーブが光る。VALゴーリー#24小野大樹選手が好セーブをみせると、関東選抜ゴーリー#3佐々木知英選手が立て続けに3本の決定的シュートを止めた。この簡単に崩すことのできない最後の砦を先に突破し、後半先制点を決めるのはどちらのチームだろうか。相手チームのパスミスからボールを奪い、速い攻めで先に最後の砦を突破したのは、VAL#26長田匡史選手であった。1点差とし、ここからVALの逆襲が始まるのかと期待した。しかし、3分後、関東選抜#12岡部光人選手がゴール左前でフィードを受け得点した。やはりVALに流れは渡してくれないようだ。VALのベンチからは「ベンチから流れを呼ぼう」と声が飛んでいたが、関東選抜の得点が続く。笛が吹かれた後の素早いリスタートでVALのDFが準備し切れていない隙をつき、#11荻原史暁選手が決め2点差、DFを引き付けスペースを作り出した#5塚田哲也選手による裏からのフィードを受けた#15長谷川玄選手が決め、3点差とさらに引き離した。このまま関東選抜の流れでいくかと思われたが、VALのクリアーが繋がりはじめる。そこからVAL#25原健太郎選手が右ゴール裏から1対1を仕掛け、チャンスをものにした。この後も何度かチャンスを得るも得点まで結びつけることができない。焦りからかゴール前にボールを運んでからシュートまでの展開が雑になってきたように思う。逆に、関東選抜#11荻原史暁選手に1対1で突破され、これが最後の得点となり、9対5の関東選抜勝利で試合は終了した。
試合を通して、関東選抜は自分たちのラクロススタイルを崩さなかった。これが勝因ではないだろうか。日本代表経験者を多数抱えるチームの貫禄とでも言うのだろうか。一方のVALは、クリアーミスやパスミスによってリズムを作ることができず、得点まで結びつけることができなかったことが敗因ではないだろうか。
しかし、どちらのチームも技のあるおもしろいラクロスを魅せてくれた。私は、この試合を観て、女子ラクロスとは違う攻め方、守り方に触れてたくさんの刺激を受けた。関東選抜の選手は自チームに戻り、VALはVALとして今後の活躍に期待したい。 |