日時:2007年11月18日(日) 13:00試合開始
場所:東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場男子決勝戦: 東日本ラクロスクラブ(東日本チャンピオンリーグ1位) vs VALENTIA東日本チャンピオンリーグ2位)
ゲームレポート
11月18日(日)大井ふ頭中央海浜公園第2球技場にて、第9回全日本クラブ選手権決勝戦が行われた。
決勝戦に駒を進めたのは、1回戦を圧倒的な試合運びを見せて勝利した東日本クラブチームチャンピオンリーグ1位の東日本ラクロスクラブ(以下ラガマフィンズ)と1回戦をアウェイの地で地元HELPに苦戦しながらも、勝利をものにした同リーグ2位のVALENTIAの両チーム。ちなみに東日本リーグ戦でラガマフィンズが唯一、黒星を喫したのがVALENTIA。よってラガマフィンズにとってはリーグ戦の借りを返す雪辱戦、そしてまた来月の全日本選手権の前哨戦でもある注目の一戦となった。第1クォーター。
開始1分でVALENTIA #1相澤選手のゴール右裏からのフィードを受けた#12末木選手のショットで先制。3分、ラガマフィンズのファーストブレークで#3村松選手からのフィードを受けた#4小林選手が得点。6分、ゴール前の崩れた状況でVALENTIA相澤選手が得点。試合開始からVALENTIA主導での試合が続き、次々にラガマフィンズゴールにショットを放つが、随所でラガマフィンズゴーリー#6大塚が好セーブを見せて追加点のチャンスを凌ぐ。16分、ラガマフィンズ#3村松選手のゴール左裏からのフィードを受けた#9神津選手が得点。しかし、VALENTIAもその直後ファーストブレークで#11開選手からのラストパスを受けた#89平野選手が確実に決め、2-3のVALENTIAの1点リードでこのクォーターを終える。第2クォーター。
開始1分、VALENTIA #6小林選手がトップの位置からミドルシュートを放ち得点。続く7分、VALENTIAディフェンス#43畠山選手がオーバーラップ、そのままゴール前に持ち込み豪快にゴールに撃ち込んで追加点を加える。またこのクウォーター、VALENTIAのディフンェンスシステムは上手く機能する。ゴーリー#13篠原のセーブ力を考慮したコンパクトなポジショニングを保ち、15分にゴール前のグランドボールを拾われて失点するまで(得点者#47吉丸選手)ゴール枠内に飛んできたデンジャーゾーン外からのシュートをことごとくセーブする。その後は、ターンオーバーは続くが、3-5でVALENTIA2点のリードで前半終了。第3クォーター。
ラガマフィンズは、試合の流れを変えるべくゴーリーを#52宇田川選手にチェンジ。またスティックチェックにより、ラガマフィンズは3分間のエキストラマンオフェンスのチャンスを得る。しかしこの絶対的なチャンスで、ラガマフィンズはショットを1本しか撃てなかったばかりか、逆にVALENTIAにファーストブレークの逆襲に遭い、#11開選手に得点される。続く4分、ラガマフィンズはロング2本が同時に反則し、1分間のツーマンダウンディフェンスになる。ところが、VALENTIAにとって貴重な追加点のチャンスにパスミスが発生。転がったボールをラガマフィンズAT#4小林選手が拾い、#3村松選手にパス、うけたボールをきっちり決める。この得点を機に、一方的にVALENTIAに向いていた流れを徐々に取り戻し互角の展開となる。その後、VALENTIAが#89平野選手・#11開選手、ラガマフィンズが#22岡田選手・#47吉丸選手がそれぞれ加点し、このクォーターを6-8、VALENTIA 2点リードで終える。第4クォーター。
ラガマフィンズによる前クォーター終了間際のファールにより、VALENTIAのエキストラマン状態からゲームが始まるが得点奪えず。ラガマフィンズは、このピンチを乗り切ると、グランドボールで優位に立つ局面が目立つようになる。3分に#3村松選手のゴール裏からのフィードを受けた#22岡田選手がゴール右横から得点。VALENTIAも5分、ファーストブレークから#1相澤選手が得点。しかし、ラガマフィンズも6分青山選手のミドルショットがゴールネットを揺らし、何とか追いすがる。試合展開は、ラガマフィンズが依然グランドボールで優位に立ち、ポゼッション時間を確保するが残り時間が無くなるにつれ、粗いプレーが目立ち、VALENTIAより多くのシュート本数を放つがゴールの枠を捉え切れない。そうしている間にもVALENTIAは、少ないシュートチャンスで確実に11分に#89平野選手・16分に#6小林選手が加点。最後は激しいターンオーバー合戦の末、タイムアップを迎えた。結果は8-11でVALENTIAが2年連続でクラブ日本一の栄冠に輝いた。ラガマフィンズは、ナニワ戦でもみせたチームカラーでもあるボールへの激しいプレッシャーと、今季VALENTIAより移籍したAT村松選手による組織立ったカットオフェンス中心のゲームメイクでVALENTIAと対した。それに対し、VALENTIAはキーマンである村松選手に対して組織立ったフィードカットと、DF#23引地選手のマッチアップによりオフェンス機会を減らすことに成功。また昨年から継承しているオフボールからの早い動き出しによるブレークメイクによる効率的な得点が目立った。
全日本選手権の決勝でも、また再戦する可能性が高い両チームであるだけに、あと一ヶ月で更に進化したラクロスを見せてくれるであろうという期待感を持たせる一戦だった。
Report:鈴木崇弘(シルバーバックス所属) Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満 Photo:宇喜多紀恵 |