秋晴れのラクロス日和の中、クラブチーム選手権第1回戦は始まった。全日本クラブ選手権5回目の出場NLC SCHERZO(以下NLC)と2年ぶり7回目の出場WISTERIA(以下、WIS)の試合は、歴史的な一戦となった。
試合開始早々、NLC#12山本選手からの大きな逆サイド展開から、NLC#13栗原選手が先制点をあげる。一方WISも、鋭いフィードから、#9春山選手のクイックシュートが決まり1-1。しかし、NLCはゴール前を堅く守り、WISはなかなか得点シーンに結びつけることができない。一方、NLCは大きなパスからのフリーを生かしたブレークを作り出し、グランドボールシーンからのビックチャンスを#10井倉選手が得点に結びつけ、2点目を追加する。ここから、本試合は終始NLCリードで試合が進んでいった。ゴール前からの早いパス回しからチャンスをものにし、NLCは得点を重ねていく。WISも#56岸上選手が重要な場面でフリーシュートを決め、前半は5-3でNLCのリードで折り返した。
後半は、体力とルーズボールやミスをいかにものにするかが勝敗の鍵となった。
後半開始はWISがボールを支配し、開始された。互いの厳しいDF、ゴールキーパーの好セーブが続いたが、#10井倉選手の華麗なステップからのシュート、#11飛澤選手の本試合会場の芝という特性を生かしたバウンドシュートにより、NLCは追加点を重ねていく。一方で、WISは#48佐藤選手が非常にきれいな形で得点する。WISはドローからの速攻で得点のチャンスを作り出したものの、NLC#33岩本選手が股下のシュートを好セーブ。徐々にミスが目立ち始めた矢先、NLCのミスからWIS#73吉永選手が1対1で得点を重ね、7-5とする。
ここから試合は両者共に激しいプレーが続いた。しかしNLC#13栗原選手のアシストから#11飛澤選手がこの流れを変える素晴らしいシュートを決め、最終的に一瞬一瞬のチャンスをものにしたNLCが8-5でWISを下し、勝利を手にした。
本試合の勝敗を分けることとなったポイントは、グランドボール、試合をどのように組み立てるか、そして各チームの得意プレーをいかに発揮するか、という点にあったように思う。両チームとも激しいチェックが続く中、グランドボール支配率は、NLCが圧倒的に高かった。一方、WISはドロー支配率は高かったが、NLCの得意とする中盤のフリーをうまく生かした、速い展開からのブレイク等、勢いを食い止めることが出来なかった。
試合を上手く組み立て、自分たちの流れに持っていくことの出来たNLCに軍配が上がった。
近年、全日本クラブ選手権では関西チームが勝利をものに出来ていなかった中、今回のNLCの快挙は本試合会場に訪れた応援者のみならず、関西のラクロスプレーヤーにとって大きな希望となったことだろう。更に進化したNLCの今後の活躍に期待したい。 |