秋の寒空の下、第17回関西学生ラクロスリーグ戦ファイナル3準決勝、関西学院大学(以下、関学)対、大阪国際大学(以下、大国)の試合が宝ヶ池球技場にて行われた。昨年度は準優勝という結果に終わったが、今年はさらに上の「日本一」を目標に掲げる関学。これまであと一歩届かなかった初のファイナル3出場を見事成し遂げ、勢いづく大国。両チームとも、関西制覇さらには全日本選手権出場の切符を賭けてこの試合は落とせないため、見ごたえある試合が期待される。
前半、開始早々から両者とも積極的にシュートチャンスを狙うが得点には結びつかず、力の差はないに等しいと思われた。その均衡を崩したのは関学。試合開始6分、フリーシュートが繰り返された末、#19寿賀が先制点を奪った。すぐに追いつきたい大国は、とてもユニークなパフォーマンスを見せながら攻め続け、#27松尾のナイスコースのシュートで同点に追いつき、観客を興奮させた。このシュートが大国に火をつけたのか、つづいて#1山本がすばやいシュートを決め、大国が一歩リードした。このまま大国のペースで行くかと思いきや、関学も少ないチャンスをものにし、#15馬田の同点シュートを決め、両者一歩も譲らない息の詰まるような展開が続き、そのまま前半が終了するかのように思われた。しかし前半残り2分、関学執念の逆転シュートを決め、3-2の関学1点リードで前半を折り返した。
後半、これ以上差を広げられたくない大国は気持ちを新たに入れ換え、#47森本のシュート、#75松本のシュートで得点を連取し関学に焦りを与えた。そのせいか関学のファウルが目立ち始めるが、ここで動じることなく、関学は#75若井の華麗なシュートでまたもや同点に追いつき、逆に大国に焦りを感じさせた。この後も勝ちたい気持ちを前面に押し出した両者の点の奪い合いが続き、6-5で関学がリードした状態となり、このまま関学の勝利で終わるかと誰もが頭をよぎった。しかし試合はまだ終わらない。負けん気を見せ付けたい大国は残り2分、早い正確なパス回しからすばやくシュートを決め再び同点としたのだった。再び会場は張り詰めた緊張感に包まれ、ここでタイムアウトが取られる。
次の1点が勝敗を分けるであろうこの状況に、どちらも執念の攻めを続ける。サドンビクトリーの延長戦に持ち込まれるかと誰もが思った残り8秒のことだった。大国#1山本が鮮やかにゴールネットを揺らし、観客の興奮は最高潮に達した。6-7で大国が劇的な勝利を収めた。
シーソーゲームとなったこの試合で、最後の粘りを見せた大国には惜しくも敗れた関学の分までファイナル3決勝で活躍してほしいものである。 |