*「リエゾン(liaison)」とは、”来日するチームに帯同し、チームの連絡窓口及びお世話をするスタッフ”のことです。
本レポートは、リエゾンからの日次報告から抜粋したものです。
外からは見えない来日チームの様子が垣間見れます。US West男子&女子 2004年6月13日(日)
Report by 日本ラクロス協会強化部・山本昌宏日曜の天気は予報どおり、梅雨の谷間の快晴でした。朝から気温はぐんぐんと上がり、会場の鶴見緑地球技場の芝生も青々と光ってました。
朝9:00には会場にはUS WESTの選手たちは、男女共に集まり始め、10:30からの開会式にと、その後の試合に向けての準備を進めていました。キャッチボールをする者、読書する者、音楽を聴く者、独自のスタイルで集中力を高めたり、緊張をほぐしたり、二日酔いを醒ましたり・・・。
しかし、コーチたちが集合時間になっても現れません。(コーチ陣5名はホームステイではなく、新大阪近くのホテルに滞在)国際部のスタッフが「電車で迷ってるんだ」「電話が通じない」と焦り出していたところに、ふらっと集合時刻より30分以上も遅れて登場。聞くところによると、ゆっくりと朝食を摂っていただけで、決して寝坊ではない様子。しかし、ディレクターのスティーブだけは鼻声で体が重そう。タダでさえ軽い体では無いのに、関西に入ってから風邪が悪化して、どうもテンションが低い。彼は、この後中国遠征も控えているのに、少し心配です。
開会式では、両国国歌斉唱から始まり、US WEST・スティーブ、U21日本代表・岩本ヘッドコーチ、JLA山川岳理事の挨拶が行なわれました。
11:00からは女子のメインゲーム「US WEST vs 関西選抜」の試合が行われ、先取点は関西選抜が取り、シュートも数多く放つもののUS WESTが優勢に試合を進め、11-8で勝利した。
試合後には、この日が遠征最後の試合なのでUS WESTユニフォームとTシャツやら短パンと交換する姿もあった。ラッキーなことにユニフォームをゲットした関西の選手はニンマリ。US WESTの選手も漢字入りのTシャツには満足そうで、シャワーの後に早速多くの選手が交換直後のTシャツに袖を通していた。
その後13:30からは、男子メインゲーム「US WEST vs U21日本代表」の試合。こちらは終止、US WESTが優勢で11-4で完勝した。
こちらも試合後はユニフォームの交換は無いものの、集合写真や、相手コーチと談笑していた。
そして、会場を後にした選手達は、お待ちかねのフェアウェルパーティーに出掛けた。女子の選手たちは、明朝アメリカに発つため、一度ホテルにチェックインしてからの出動となった。これも、実は予定外のアドリブで、国際部が柔軟な対応をしてくれて、事なきを得た。
男子の選手は、試合会場から地下鉄でパーティー会場に直行したのだが、男女共に印象的だったのは、こうしたパーティー用なのか、どの選手も、ジーンズ・ポロシャツ・キャミソールなどなど、フォーマルでは決して無いものの、すっきりとした格好で出掛けていた。今までは、行きも帰りもラクロスの短パンやTシャツ姿だったので、なんか気合が入っているのか、これぞアメリカンスタイルなのか、私には面白い光景にみえた。
パーティー会場は、いわゆるクラブ。大阪梅田駅に程近いそこを貸切り、行われた。司会はクラブチームHELPの中西氏が買って出てくれ、会場を大いに盛り上げた。大荷物を持っての移動にはお疲れの様子だったが、始まってしまえばそこはもうアメリカ。飲めや歌えやもう大盛り上がりです。日本人も負けじと対抗するも、アメリカ人の勢いには勝てず・・・。
月曜の早朝には、タクシーで空港を目指す女子選手たちは、ホストファミリーと別れを惜しむ姿も多くあったものの、それを男子選手も惜しんでいたのがこれまたややこしい・・・。月曜日は観光でゆったりムードの男子選手は飲んだくれてホストファミリーを困らせるし・・・。
あちらこちらで日本人とアメリカ人とが一緒の空間でお互いに楽しむ。それはフィールドの上でも、パーティーのときでも同じ。ラクロスを通じて出会ったお互いが親しくなる。国境を越えた出会いと別れ。これを短期間に満喫できた両国の選手たちは、本当にラッキーだったと思う。この貴重な経験は、絶対に生涯忘れられない思い出となるはず。
「あの時、あいつらケンカして言葉わからず大変やった。」、「酔っ払って連れて帰るの大変やった。」
そんなことは、ごくごく小さな出来事に変わる時が来る。それ以上に大きなものを得ていると思うから。