Go To TOP PAGEInternational Lacrosse Friendship Games 2004

 第16回ラクロス国際親善試合

  リエゾン・レポート

*「リエゾン(liaison)」とは、”来日するチームに帯同し、チームの連絡窓口及びお世話をするスタッフ”のことです。
  本レポートは、リエゾンからの日次報告から抜粋したものです。
  外からは見えない来日チームの様子が垣間見れます。

US West男子 2004年6月3日(木)
                         Report by 日本ラクロス協会国際部・森部高史

 朝8時30分ロビー集合。その前に7時から8時30分の間まで、各自朝食の時間。前日は、ホテルのある西葛西駅近辺を各自で散策しており、時差ぼけ・疲れを心配しましたが、選手達はそのような様子を全く見せず、食欲も旺盛。ホテルから用意された朝食(おにぎり、お味噌汁など)を楽しそうに食べていました。おにぎりは一人5,6個食べているといった感じでした。
 西海岸には、日本食料理屋や日本人も多くいることから、おにぎり・お味噌汁には慣れ親しんでおり、「お味噌汁が好き」という選手も多くいました。

 昨晩の様子を聞くと、リエゾンスタッフと食事に行ったコーチ陣は良かったのですが、その他の選手達は、日本語のみで書かれたメニューに戸惑い、注文をしてみるものの想像していたものと全く違うものが出てきたりして、ろくに食事にありつけなかったという者もおりました。それでも、どこか楽しそうでした。西葛西駅からタクシー計10台ほどに分乗し、江戸川区臨海球技場へ。
  通勤・通学時間帯ということもあり、30人のラクロス道具を持った選手団は注目の的でした。

 球技場に到着後、選手達の目に映った最もショックな光景は、「土」のグラウンド。それでも、到着から5分後にはヘルメットをかぶり、練習に入りました。練習時間は2時間ほど。ラクロスの外国チームを見ていて思うのですが、このチームもやはりアップをほとんどしません。ストレッチもやることがなければ、グランド半面を2周ほどジョギングしたところでボールを使ったメニューに。
  ・ラインドリル
  ・4対3(オフェンスのパスをつなぐことを主眼)
  ・ファーストブレイクからの6対6
  ・紅白戦

 練習の主導は、スコット氏とフリップ氏。フリップ氏は、フィールドの中に入って精力的に動き回り、選手に指示を出していました。その指示の出し方も様々で、肩に手をまわし諭すようなこともあれば、サッカーでお馴染みのトルシエ氏のように選手と顔と顔をつきあわせて、強い口調の時もありました。体格的には圧倒的に勝る選手が後ずさりする光景は、圧巻でした。
  ちなみに、フリップ氏はRock-it-Pocketの発案者だそうです。

 怪我人もなく無事に過ごすことが出来たのですが、我々スタッフを驚かせたのは、ディフェンスの選手はまだ良いとしても、アタックの選手も、エルボーのみ装着しており、ショルダーパッドを使用している選手はほとんどいませんでした。リブパッドは皆無です。練習中に、何度も防具以外のところにチェックが入っているのですが、別段痛がるような様子もなくプレーしていました。心配なので尋ねると、「試合ではつけるよ」とのことでした。

 その後は、江戸川区主催による文化体験。茶道、書道を楽しみました。もちろん選手達にとっては初めての体験であり、熱心に練習をしていました。書道においては「友人」の文字を習い、最後は色紙に書いて、お土産として持ち帰りました。選手によっては「愛」「武士」「勇気」「正義」といったものを先生に書いてもらい、真似をするといった選手を多くおりました。とても満足をしていました。但し、正座は非常に辛かったようです。

 18時頃にホテルに戻り、その後は各自で過ごすことになりました。
  解散前にひとつ、コーチであるスコット氏から。
  「良い機会だから、日本滞在を楽しんで欲しい。ホテルに泊まるのも明日が最後だから、夜に遊びに行きたいと思う者もいるだろう。それはそれで構わない。しかし、覚えておかなければならないのは、我々は何を代表しているかだ。西海岸のアメリカラクロスを代表していることを忘れないで欲しい。今日の練習で動きの鈍かった者、それがどういう意味なのかを考えてくれ。俺は、普段東海岸でコーチをしているからジレンマがあるのだが、西海岸にだって良い選手がいるということを見せて欲しい。それが君達だけではなく、今は高校でラクロスをしている子達にとっての道を切り開いていくことになるんだ。週末の大きな試合に向けて、自分達のすべきことを考えて欲しい。」
  普段は陽気な選手達も、この時ばかりは顔つきが変わり、真剣に話を聞いていました。

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