*「リエゾン(liaison)」とは、”来日するチームに帯同し、チームの連絡窓口及びお世話をするスタッフ”のことです。
本レポートは、リエゾンからの日次報告から抜粋したものです。
外からは見えない来日チームの様子が垣間見れます。
プリンストン大学 2004年6月6日(日)
Report by 日本ラクロス協会国際部・星野充則今日は、国際親善試合の日。天気はあいにくの雨。10時45分に宿泊先の東京プリンスホテルから、江戸川区陸上競技場に到着した。
「こんな雨の中試合したことあるのか?」と訊くと、「去年は、試合の時はずっと晴れてたけど、一昨年は結構雨の中試合やったんだよね。別に問題ないよ」と言っていた。雨だからといってモチベーションが落ちていることはなさそうだ。開会式を終え、関東選抜vs米・西海岸大学選抜を観戦しながら選手たちは終始リラックスムード。中でも#14Ryan Boyleは、今日の試合でMVPを取ってインタビューで何を言うか考えていた。(ちなみに、彼は「こんばんは。I am a superstar.」と言って観客を沸かせるつもりだったらしい。残念。)そんな彼らも試合が近づき、アップを始めるにつれて徐々にテンションが上がってきたみたいだ。
試合開始は、ラインが消えてしまった関係で少し遅れたが、その間も日本代表 vs Princetonの小技対決が繰り広げられスタンドは沸いた。但し、試合が始まるとそんなムードはなくなり選手、コーチともに真剣そのもの。中でもヘッドコーチ Tierneyは土曜、日曜の試合と違い選手に鬼のような形相で叫び、怒りのあまり何度かボックスを出てグラウンド内に入っていた。選手の一人が、「Tierneyは普段は温厚で優しい人だけど、試合中はcrazyで、いつも叫んでいるよ。」と言ってたが、まさにこのことかと思った。前半は7-4でPrinceton大学も内容はいまいち。ロッカールームでは案の定Tierneyはお怒りの様子で、第一声は「It’s really too bad.」で始まり、Princeton大学としての誇りを持ってプレーし、後半は前半のようなことにはしないでくれ、みたいなことを言っていた。
後半はTierneyの期待に応え、どんどんと得点を重ねる選手達。点差が開くにつれ、Tierneyの怒りも収まってきたようで、一度選手がフライミスでファールを取られたときも「この試合はこんなことでファールを取るような公式戦じゃなくて、親善試合でしょ。」のようなことを審判に言っていた。もしこれが前半起きていたら、その選手にはTierneyからは恐ろしい雷が落ちただろう。さっきまではあんなに怒ってたのに、まるで別人である。試合は17-8でPrinceton大学の快勝。
試合後は、日本代表とPrinceton大学で記念撮影が行われ、和やかなムード。Princeton大学からオフェンスのベストプレーヤーとして鈴村選手、ディフェンスのベストプレーヤーとして前田選手にそれぞれメッヂがプレゼントされた。またその後も、何人かの選手の間でグッズの交換が行われ、Princeton大学の選手にはやはり日本代表のTシャツが人気があった。
東京プリンスホテルに戻り、チームディナーを終えたあと、#4Jason、#13Tim、#29J.Gと僕のラクロス部の友達何人かで居酒屋に行った。そこで彼らはいくつかの日本料理に挑戦し、刺身やお好み焼きをおいしそうに食べていた。話は自然とラクロスの話題となり、お互い好きな選手など話したりしていた。筋力トレーニングの話になりJasonにどれくらいベンチあげるのか聞いたところ、150kg(!!!)との答えが返ってきた。恐ろしい・・・。また「今日はMVPおめでとう。得点を取る秘密を教えて。」と聞くと「Eating too much.(とにかくたくさん食うことだよ)」と言われた。
今日は、NCAAのトップランクのチームの真剣な勝負を間近で観れて良かった。やはり、真剣な彼らは迫力があった。試合後の居酒屋では、僕らも彼らも楽しい時間が過ごせ、良い一日だった。