第14回ラクロス全日本選手権第1回戦。
関東学生リーグ第1位、今年こそ念願の日本一を狙う慶應義塾大学(以下、慶應)対、学生四地区第1位という誇りをかけ、慶應に昨年の借りを返したい東北大学(以下、東北)の激突である。果たしてどちらが日本一への第一歩を踏み出すことができるのか。
1Q
開始早々、慶應#3吉丸健一郎がゴール前でうまくパスをもらい早くも先制点を決める。さらに開始から攻め続ける慶應は、#99須山恭平が1on1から得点し2点差。たまらず東北はタイムアウト。ここから東北もブレークを狙った速い展開からチャンスを作る。しかし、その前に慶應の守護神#7宇田川和彦が立ちはだかる。しかし一瞬の隙を逃さず、東北#55宮崎和仁がゴール裏から1on1を仕掛け、見事得点。これで2対1。しかし慶應は慌てない。キャプテン#11橋本隆仁が、相手を背負いながらも強烈なシュートを東北ゴールに突き刺す。対する東北はなんとかシュートまではいくものの、#7宇田川の好セーブに得点までは奪うことはできない。逆に慶應#6八木徹がスピードに乗った切れのある1on1から得点し、着実に点差を広げていく。勢いにのった慶應は守備でも東北に厳しいプレッシャーをかけ、クリアさえ簡単にはさせない。東北はペースを握ることが出来ないまま1Qが終了する。
2Q
開始から慶應、東北両校ともに攻守を繰り返す膠着状態となる。そんな中、得点を奪ったのはまたしても慶應だった。#4鈴木庸之がゴール前からミドルシュートを確実に決める。この得点で目が覚めたのか東北ディフェンスは必死の守備で慶應に追加点を与えない。しかし慶應の攻撃が止むことはない。#11橋本が去年の決勝戦を彷彿とさせるバックビハインドショットを放つ。これは惜しくも外れてしまうが、続く#99須山が1on1からゴール前まで切れ込み今日2点目を決める。このまま慶應が圧勝してしまうのか?そんな雰囲気が漂う中、東北もなんとか追撃の糸口を探す。東北のパス回しが続く中、一瞬パスミスかと思われたボールを#8鈴木孝佳がうまくキャッチし、渾身のミドルシュートを慶應ゴールに叩き込む。これで波に乗った東北は、慶應がクリアしようとするところでうまくボールを奪い、慶應#7宇田川がゴールから離れているところを狙いシュートを放つ。これは宇田川がゴールに戻りながらシュートを止めるというスーパーセーブをみせ得点を許さない。このまま2Qが終了する。この流れのまま東北が後半戦、慶應を追い上げることが出来るのか注目である。
3Q
ここから東北ペースになるのか?しかし、日本一を目指す慶應は強かった。#9岡田浩明がロールダッヂでうまくディフェンスをかわし得点。さらに#4鈴木がゴール前でパスをもらい落ち着いて決める。これで8-2。この後も#10村田光太郎が1on1から得点、#72矢口暁が華麗なジャンプシュートを決めるなど怒涛の4連続得点。いっきに東北を突き放す。なんとかしたい東北はここでタイムアウトをとり、気持ちを切り替える。このタイムアウトが功を奏したのか、東北#55宮崎がゴール右からうまくコースを狙ってシュートを決めるが、このまま3Q終了。なんとか1点返した東北だったが、10-3と大きく慶應にリードを許してしまった。
4Q
このままでは終われない東北は、#8鈴木が豪快なミドルシュートを決めなんとか1点返す。ディフェンス陣もゴーリーの#5佐藤岳彦が決定的な場面でシュートを止めるなど必死に反撃を試みる。だがまたも慶應は得点を重ねていく。#9岡田がゴール横から振り向きざまにシュートを放ち、今日2点目を決めれば、#15嶋田祐介はフェイスオフからのボールを拾い、そのまま東北ディフェンスを1人2人とかわしゴールを決める。さらには学生連盟東日本支部委員長として活躍する#23角田一樹が得点を決める。これにはベンチにいた慶應の選手もグラウンドの中まで駆け寄り喜び合う。完全に慶應ペース。しかし東北の心は折れなかった。ゴーリー#5佐藤が慶應ゴール前まで投げたロングパスに#4鈴木雄三がうまく反応し、得点。やっとペースを掴み始めた東北は#17野崎飛雄馬が1on1から意地のシュートを慶應ゴールに突き刺した。これだけの点差がありながら、決して試合を諦めない東北。残り1分。慶應は#15嶋田が1人でキープし続けるという作戦に出た。なかなかボールを奪うことが出来ず焦る東北。そんな東北にとどめを刺すかのように終了間際、慶應#13堀池瞬が東北ゴールへとシュートを叩き込み、このまま試合終了。
最後まで健闘した東北だったが、慶應の厚い壁を崩すことは出来なかった。この学生最強の慶應が社会人を相手にどんな戦いを展開していくのか?注目である。
|